福島県二本松市の新築マンションの屋内で屋外より高い放射線量が検出された問題は、原因となった砕石にとどまらずほかの建材にも波及している。射能汚染に関してはこれまで、関係者のモラルにもとづく自主対応がとられてきた。今後は、行政上の基準を求める動きも出てきそうだ(新建ハウジング2012年2月10日号から抜粋)
建材設備
国は建材汚染問題について、計画的避難地域など放射線量が高い地域で保管・製造された建材がないか調査中だ。
経済産業省は砕石業界とともに建材・設備メーカーらで構成する日本建材・住宅設備産業協会にも調査を依頼、早い段階でその結果を公表する予定。
木材
木材に関しては林野庁が昨年8月、福島県内でサンプル調査を実施。高い放射性セシウム濃度を検出した地域でも1㎏あたり406ベクレルで、この木材により6面を囲まれた部屋でも年間被曝量は同庁試算で0・01ミリシーベルトと、自然放射線量より大幅に低いことを公表してきた。
だが、東京農業大学の林隆久教授による、福島県相馬地方の森の樹木内部から高い濃度の放射性セシウムが検出されたという報告もある。今後、木材の汚染への不安が高まるおそれも否めない。
基準・規制化の動き
こうした状況に、業界からは住宅・建材の放射能に明確な基準や規制を望む声が出はじめた。
枝野幸男経済産業大臣は汚染砕石問題が公になった際、基準の策定について言及し、その準備に向かう動きも起きている。
また福島県は地域材の放射能汚染に関する調査を昨年11月〜12月、業界団体の協力で実施。この結果をもとに団体が独自基準の策定、検査体制の検討を進めている。
※全文は新建ハウジング2012年2月10日号に掲載しています。試読サービスもご活用下さい
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