住宅ローン借り入れ可能額判定サービス「モゲパス」を提供するMFS(東京都千代田区)はこのほど、新型コロナウイルス感染拡大前後における住宅購入希望者の傾向の分析を行った。対象は、「モゲパス」を利用して住宅ローン借り入れ可能額を判定した東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の物件を希望する20~50代の男女1735人。
分析結果から、コロナ禍以後には「300万~400万円台」の年収層の申し込み割合が特に増加し、この層で住宅購入に積極的な人が増えていることがわかった。具体的には、コロナ前には年収「300万円台」の申し込みは9.2%だったのに対して、コロナ後には15.8%となり、「400万円台」は10.5%から16.4%となった。年収「300万~400万円台」の層において「持ち家派」が増加傾向にあることがわかる。
また、コロナ禍以後には教育ローンや自動車ローンなど、「住宅ローン以外の借り入れがある」層の申し込み割合が増えていることがわかった。具体的には、コロナ前には「住宅ローン以外の借り入れがある」層の割合は28.5%だったのに対し、コロナ後には37.4%に増加。その他の借り入れがあっても、家を持つことで将来の住居に対する安心感を得たい人が増えていることが推測される。
希望物件種別では、「戸建て」を希望する人が25.9%から44.1%へと大幅に増加。希望物件状態では、「新築」を希望する人が26.8%から32.7%に増えた。テレワークの普及により、自宅に仕事スペースを確保したいという需要が出てきていることや、価格の高い駅近や都心部のマンションよりも、価格も抑えられ広い住戸も多い郊外の戸建てに住みたいという需要の高まりが伺え、「職住近接」から「職住融合」へとニーズが変化していることがわかる。また、新築は税制上の優遇や最新設備が備わっていること、建て売りなどの選択肢も多いことから希望者が増加したと推測される。
また、「モゲパス」で算出された住宅ローン借り入れ可能額を年収別に分析したところ、年収300万円台~900万円台のユーザーで、年収の6~7倍前後が中央値となった。
調査期間は、2019年7月1日~2020年10月28日(コロナ禍前:2019年7月~2020年2月、コロナ禍後:2020年3月~2020年10月として分析)。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。