「しなのいえ工房」のブランド名で住宅事業を展開するアグリトライ(長野市)は、HEAT20・G2レベルの断熱性能や許容応力度計算による耐震等級3などを標準仕様とする住宅を提供しながら、デザイン性や暮らし提案、生産性など、今よりもワンランク上の家づくりを目指す。
同社の住宅事業を統括する常務の小嶋健二さん(一級建築士)は「G2や耐震等級3などの性能面は当たり前になり、そこで特徴を打ち出すこと(差別化)は難しくなる」としたうえで、「地域の工務店としてこの先も生き残っていくために、いまできることをやっておきたい」と力を込める。
現在、長野市上松で新築工事を進めており、12月中に完成する予定の「上松の家」は、その試金石の位置付けだ。
周りの景色を切り取る開口部や、家具まで含む空間の統一感など設計・デザインにこだわり、「自社ならではの特徴を持たせたい」と外壁に、薬剤を使わずに水蒸気と熱の圧力によって特殊な加工を施した高品質・高耐久の無垢カラマツ材を採用。また、大工の作業負担の軽減や生産効率アップを目指して、初めて大型パネルによる工法を導入した。いずれも今後は自社のスタンダードとして定着させていく方針だ。
コロナ禍で引き合いが増加
経営の足固めと成長の好機
住宅ブランド「しなのいえ工房」を展開するアグリトライ(長野市)常務の小嶋健二さんは「コロナ禍のステイホームで家づくりについて熱心に情報収集をする人が多いのか、引き合いが増えている」とする。
そのほかにも、住宅の性能を含む家づくりの正しい知識について生活者向けに情報発信する松尾設計室の松尾和也さんのYouTubeチャンネルを見て相談に訪れる人がいたり、長年にわたって加盟している新住協(新木造住宅技術研究協議会)の認知度の高まりを感じたり、コロナ禍のこの時期、自社がこれまで進めてきたHEAT20・G2、耐震等級3を標準仕様とする家づくりへの手ごたえを実感している。
最近では・・・・
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