アキュラホーム(東京都新宿区)の社内研究所であるアキュラホーム住生活研究所は、コロナ禍での在宅勤務を経験した従業員1000人を対象とした「新型コロナウイルス感染症により変化する住まいのあり方調査」の結果を発表した。
“住まいのプロ”である従業員1000人を対象とした調査を行うことで、新築住宅・リフォームなどこれからの新しい住まいの考え方の参考資料として活用されることを目的としたもの。緊急事態宣言中の5月と、新しい日常が定着してきている10月の2回にわたり、アンケート調査を実施した。
「住まいにあって良かったものランキング」では、玄関手洗い、抗菌グッズ、空気清浄機等の「ウイルス対策設備」が緊急事態宣言中・解除後ともに根強く評価された。1位以下のランキングについても、家族の在宅時間の増加に伴い、実際に役に立つと認識されたものが多くランクインした。
「在宅時間増加により、新たに取り組んだこと・大幅に費やす時間が増えたもの」ランキングでは、外出自粛によって家族で家にいる時間が増加したことで、自宅でアウトドア(グランピングやバーベキューなど)をする人や、新たな趣味として家庭菜園を始める人が増えた。子どものいる家庭では「公園などで遊ばせるより、庭で遊ばせたい」という意見も多くあった。10月は5月に比べて出勤回数が増えたものの、「家族と過ごす時間が多い」と回答した人は全体でも3割弱と高止まりが続き、子育て中の人が多い30代~40代では4割を超えた。
また、在宅勤務の増加により、新たに仕事部屋となる場所を設けた人が43%に達した。男性の場合、子ども部屋や寝室などで仕事をする人が多く、「仕事に集中できる個室がほしい」と望む声が多かった。一方、女性では、リビングで仕事をする人が男性に比べて2割程多くなった。「家事をしながら、子どもに目配りしつつ、リビングで仕事」が基本となっており、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)から、リビングの一角に女性の仕事スペースを設けるLTK(リビング・テレワークスペース・キッチン)の時代に変化していく可能性がある。
そのほか、家族の在宅時間増加により、光熱費の大幅増による家計への負担が大きかったという声が多かった。このため、省エネルギーや環境意識、災害時における電源確保への期待の高まりもみられた。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。