東京農業大学の林隆久教授(バイオサイエンス学科)は2月1日、福島県相馬地方の樹木の放射能汚染の状況について記者会見を行い、サンプル採取した樹木の内部から放射性セシウムが検出されたと発表した。サンプル調査のうち最も高い数値を示したのは、9月に南相馬市で採取したスギで、放射性セシウム濃度は1キロあたり2300ベクレルだった。
同調査は、東農大の復興支援プロジェクトの一環として実施したもので、昨年9月から12月にかけ、南相馬市と相馬市、新地町の7地区で実施。スギやヒノキなど約30本からサンプルを採取した。各サンプルを年輪ごとに削り、それぞれの放射性セシウム濃度を測定した。
放射性セシウムの濃度は、年輪ごとにばらつきがあり、9月に南相馬市で採取したスギの2011年の年輪からは、1キロあたり5430ベクレルの放射性セシウムが検出された。
一方、サンプルのなかには、放射性セシウムが検出されなかったものもあったという。
林教授は引き続き、樹木木部の放射性セシウムの動態解析や汚染された樹木の安全性の実験などを行っていくとしている。
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