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知っていますか?
大地震で命を落とすのは大半が人間であることを。
なぜ人間が命を落とすのか
それは自分たちがつくった建物が倒壊するからです…
地震大国日本で家を建てるなら、今や耐震性は誰もが重視する性能ですが、そもそも耐震性の高い住宅とは、何を基準に見分ければいいのでしょうか?
木造住宅専門の構造設計・構造計算、構造計算育成コンサルティングの佐藤実さんにお伺いしました。
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自然界の動物は地震で命を落とすことは少ないのではないでしょうか。
では、大地震で人間が命を落とさないようにするにはどうするべきか――答えは明確です。構造計算をして耐震性能を明確にした建物をつくれば良いのです。しかし、この当たり前のことが木造住宅では行われていません。なぜでしょうか?
「構造計算はめんどくさい」、「構造計算するとコストアップになる」、「構造計算しなくても丈夫な木造住宅をつくっている」このようなことを本気で思っている建築士、建築業界の方がいるからです。
家を建てるお客様からすると、まさか木造住宅がこのような状態でつくられているとは! と、驚かれるかもしれません。当然、すべての建築業者、すべての建築士がこのような状態ではありません。しかし、このような業者が存在しているのも事実です。
「構造計算するとコストアップになる」、コスト削減で安全性まで削減するのはあり得ないことです。コスト削減のために耐震性能は不足気味にしますなどという考え方はありません。また、「構造計算しなくても丈夫な木造住宅をつくっている」、このように本気で思っている方が多いのですが、構造計算せずに木造住宅の安全性は確認できません。
「経験と勘」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。とても響きの良い言葉ですが、この言葉に甘えている風潮があります。ここでいう経験値とは、構造計算経験のことです。構造計算経験のない方が何百棟木造住宅の設計や施工を行っても、それは構造計算経験者からしたら「テキトウ」ということになります。
このように、建築業者や建築士の「構造計算しなくても地震に強いはず」という根拠なき思いこみにより被害を受けるのはそこに住むお客様です。木造住宅も構造計算を行い、耐震性能を明確にする必要があります。
次に、耐震性能ランクについてです。構造計算を行う木造住宅には、耐震性能のランクがあります。それが耐震等級です。
耐震等級は1から3まであります。耐震等級1は建築基準法で求めている耐震性能、耐震等級2は基準法の1.25倍の耐震性能、耐震等級3は基準法の1.5倍の耐震性能です。
2016年に発生した熊本地震において、耐震等級3の有効性が見えてきました。震度7に二度襲われた益城町に(建築学会悉皆調査範囲)16棟の耐震等級3の木造住宅が建っていましたが、その16棟全てが地震に耐え、さらに地震の後も住み続けられています。耐震等級3は「命も守り住み続けることができる」ことを熊本地震で証明したのです。
では、構造計算された耐震等級3の木造住宅を建ててもらうにはどうしたらよいのか?
これは、業者選びで決まります。耐震等級3の木造住宅はお客様が勉強し求めたから建ったのではなく、大半は選んだ業者が耐震等級3を標準としていた「結果」です。耐震等級3を標準化している業者をどのように見つけるか、これは意外と簡単で「耐震等級3の構造計算書」(過去物件)を見せてもらうことです。耐震等級3を標準としている業者であれば、すぐに見せてもらえます。
「木造住宅は構造計算不要」、「そこまでの耐震性能は不要」、「構造計算しなくても耐震等級は確保している」、「構造計算費用は無駄なので費用をかけずに耐震性能を確保している」、「うちの職人は腕がいいから大丈夫」など計算書が無いことを誤魔化す業者も多々あります。
家づくりを依頼する前に、耐震等級3の構造計算書を見せてもらう、これだけは覚えておいてください。
※本記事は「だん04」に掲載されています
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知らなかったでは済まされない「住まいの耐震性能」耐震等級3を標準に
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