リクルート住まいカンパニー(東京都港区)はこのほど、注文住宅の建築者・検討者を対象とした「注文住宅動向・トレンド調査」を実施し、その結果を発表した。
注文住宅の検討者に住宅展示場の訪問数を聞いたところ、「1社もない(0社)」と答えた人が27.5%と、2016年以降の調査結果の中で最も高い割合となった。「1社」が17.1%、「2社」が17.5%、「3社」が15.1%で、訪問数の平均は「2.2社」だった。
現地見学会や相談会といったイベントへの参加数についても、「1社もない(0社)」と答えた人が44.4%と、2016年以降の調査結果の中で最多となった。住宅展示場訪問率とイベント参加率はともに低下している一方で、プラン見積もりの依頼率、平均社数については、ほぼ変化がなかった。コロナ禍をきっかけに展示場やイベントがクローズした影響もあり、自宅などで検討を進める人が増えたと考えられる。
検討者に、リモートワークを意識して取り入れたい間取りや設備を聞いたところ、「仕事用の部屋」(33.6%)との回答が最も多く、次いで「リビングを広くする」(22.2%)、「部屋の一角に仕事用スペースを作る」(19.7%)となった。検討者のうち、リモートワークの時間が働く時間の70%以上を占める人では、リモートワークを意識して「仕事用の部屋」を取り入れたい人が47.0%に上った。
取り入れたい防災対策としては、「地震に強い地盤」(70.9%)が最多。次いで「地震に強い構造(耐震・免震)」(55.9%)、「土砂崩れや川の氾濫など、水害が起きづらい土地」(46.7%)、「防火壁」(25.4%)となった。「水害が起きづらい土地」は、前年調査と比較して12.2ポイント増と大きく伸びた。また、「蓄電池」(19.3%)との回答も前年比4.1ポイント増となっていることから、前年からの大雨による水害などを意識し、エリアや停電時の対策を検討する人が増えたと考えられる。
注文住宅の建築者でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を認知している人のうち、「ZEHを導入した」人は21.8%。前年から1.2ポイント増加し過去最高の導入率となった。「検討したがやめた」(35.1%)も含めた導入検討率は56.9%だった。
調査期間は7月31日~8月11日。調査地域は全国。スクリーニング調査対象は28万5384サンプル。本調査の有効回答数は「建築者」1884サンプル、「検討者」1874サンプル。同調査における「建築者」は、1年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)を建築した人、「検討者」は、今後2年以内に一戸建ての建築を検討している人を指す。
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