相羽建設(東京都東村山市、相羽健太郎社長)はこのほど、同社が今年4月にオープンしたオーナー専用のシェアスペース「a-soko(あそこ)」を報道関係者や協力業者などに公開した。空間デザインを手がけた家具デザイナーの小泉誠さんも参加し、小泉さん自ら外観や施設内をライブで案内しながら、家具や各スペースの使い方、過ごし方などを一つひとつ丁寧に解説。現在、40組ほどのオーナー家族が利用者登録をしており、同社では今後も「オーナーやつながりの深い人を”公平にえこひいきする”ことで、そこからまた新しいつながりを深めていきたい」とする。
同施設は相羽建設の鉄骨造2階建ての元倉庫をリノベーションしたもの。同社のオーナーやその知人、協力会社などが利用できる。利用者を限定したのは、オーナーやつながりのある人専用にすることで、安心感や特別感、連帯感が生まれ、利用者と価値観が近い友人・知人へ同社の建築やものづくり・場づくりの魅力がじんわり伝わると考えたからだという。
利用者登録をした会員にはカードキーが発行され、自由に出入りできるようになる。カードキーは現在、約40組の家族に発行済み。仕事や勉強のほか、子どもの習い事の間の待ち時間に使ったり、子連れのママが子どもを遊ばせながらお茶をしたりと、思いのままに自由に利用しているという。
キッチンやテーブル、デスク、ソファなどの家具やインテリアは「わざわ座」の大工の手によって作られた手作り家具。大工が作ることで、だれが家具を作っているのかがわかる。「それが家具への愛着につながり、家も大事にするようになる」と小泉さん。施設内の家具はわざわ座の趣旨を理解し会員となれば購入することができる。
あえて利用方法は限定せずに、細かいルールも作っていないのは、「みんなが相羽建設とつながっていて、信頼が構築されているから」(同社、不動産事業部の遠藤誠さん)。小泉さんも「ここはゆるやかなルールの中でゆるやかにつながれる場所」と話す。2階のフリースペースでは、小さな販売コーナーを作り、物販を始めたオーナーも。オーナーが不在の時のための入金BOXも置かれている。小泉さんは「ここがちょっとした物販コーナーになるかもしれないと思うとすごく楽しい空間になる」と、利用者たちがそれぞれの居場所でそれぞれの使い方を楽しんでいる様子を伝えた。
2階のコワーキングスペースは、これまで予約は不要としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により現在は予約を5人までに限定している。利用料金は、キッチン付きのオープンスペースおよびコワーキングスペースが2時間1000円、展示・販売などのショップスペースが1日3000円。利用時間は午前7時~午後8時まで。利用者からは「しばらく使いたいので月極のメニューも欲しい」との要望があり、今後対応していく。このほか、プリンター設置を望む声に応えたり、今後は飛沫防止対策が施された家具を取り入れるなど、状況に応じて臨機応変に対応しながら同施設を「日々進化させていく」としている。
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