新建ハウジングが運営する工務店向けオンライスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、COMODO建築工房代表・飯田亮さんの「流水腐らず/飯田亮〈COMODO建築工房〉」ルームからの記事です。
設計事務所であり工務店であるCOMODO建築工房の代表をしています。「この家のおかげで今の自分がある」――建ててから30年が経過し、住まい手さんにそう言ってもらえる家を目指しています。家は暮らしを受けとめる器、住まう人を育てていく場となります。そこに余計な装飾は必要ありません。シンプルで美しく、気持ちがほっこりする居場所がいくつもある空間こそ、素の自分に戻れる場所、それが住まいという存在だと思うのです。…
新たにチカラボマイスターに加盟させていただきました、栃木県で工務店と設計事務所を併せ持った「株式会社COMODO建築工房」の代表を務める飯田と申します。これからよろしくお願い申し上げます。
さて、いきなり「工務店と設計事務所を併せ持った」と言われても「ふーん」という感じだと思いますので、初回となる今回は僕らのことを少し知ってもらうため、はじめに弊社の馴れ初めや特徴をお話しさせていただこうと思います。
創業は2007年。前身となる設計事務所「住空間設計LIVES」を個人事業として独立し、その後2012年に工務店であるCOMODO建築工房を新規に立ち上げ、翌年には1級建築士の取得を機に前述の設計事務所を「飯田亮建築設計室」に改名いたしました。独立からまだ13年と、まだまだ若輩の企業ではございますが、小規模ながら山椒のようにピリッと効き目のある企業を目指して今に至ります。
年間棟数は年間8〜10棟と制限をかけ、従業員数は設計×2・工事監理×1・事務×1の4名と少数精鋭。売上額は年間2〜2.5億程度を推移しております。年間棟数に制限をかけているのは、クオリティおよびモチベーション維持のため、またマスター設計を全て私が担っているためです。これが設計数の限界と言えます。
設計施工が会社の基盤
弊社の特徴はなんと言っても「設計施工」と言えます。
地元の職人たちとしっかりコミュニケーションを取ることによる確かな施工力と、建築家である伊礼智氏率いる住宅デザイン学校の門下生として学んだ設計力を武器に、マーケティング的には大変にニッチなニーズではあるものの、そのマーケット(と呼んでいいものか?)では確かな支持を頂いております。工務店としての工事力のみならず、設計事務所にも引けを取らない、むしろそれを凌駕する心持ちで設計に臨ませていただいております。これが「設計施工」を特徴に掲げる理由です。
「設計」の範囲を広げる
さて、そんな弊社が月1回の年12回(予定)でお送りするテーマはずばり「流水腐らず」とさせていただきました。
この言葉には「常に活動している者は停滞したり腐ることはない」と言う意が込められております。弊社のスタイルの一つとしてマルチに活動することもこのテーマとした理由です。
前述の通り住宅建築や店舗の設計施工はもちろんのこと、その中身であるブランディングやプロモーションまで担っております。さらには同業者である工務店の支援や、写真や動画を納めたりと、「表現者」として括り活動しています。
建築という枠に捉われない、しかしながら建築というフィルターを通して活動していることが、今日のCOMODO建築工房が支持されている要因の一つと捉えています。
無理に異業種に手を伸ばすことは得策と思いませんが、あくまで着地点が建築という目的があるからこそ成り立つのだと思います。建築を建築として捉えるのではなく、建築の先にいる人を見るように心がけています。「建築+デザイン」だからこそなし得ることがこの世には多く存在しているのではないか、そんなことを思い描きながら、現在は自身をマルチクリエイターと称して活動しています。
工務店のビジネスモデルも大きく変わる
これはあくまで弊社の手法であり、やりたいことである為、皆様に当てはまるとは限りません。むしろお勧めいたしません(笑)
設計・工事・カメラマン・ブランディング・プロモーションなど、多岐に活動することが弊社の事例なだけで、建築に特化しその武器を強化するか、他にも備えるか。多くの手段があると思いますが、はっきり言えるのは工務店は単に現状に甘んじ、待ち構えるだけの時代ではないと言うことです。それが今回のテーマとして挙げさせていただいた「流水腐らず」につながります。
兎にも角にも、もがいて、学んで、楽しむ!
結果的に新しい工務店のビジネスモデルとして、地に足のついたビジョンを皆さんと共に築けていけたら幸いです。
次回は弊社COMODO建築工房の代表作を少し紹介したいと思っています。
次の記事:
→[第2回] 「くの字の平屋」ほか、COMODOの建築作品を紹介します
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