中川住研(京都府亀岡市)は、古民家を売りたい人と買いたい人を直接つなぐソーシャルサイト「古民家Bank」を11月に開設、サービスを開始した。
無料会員登録制で、利用料や仲介手数料は不要。古民家の所有者は売却価格を自分で設定でき、購入希望者はより多くの古民家を探すことができるサービスだ。
古民家を生かして後世に引き継ぐことを目的としている同サービスは、必要な情報を入力するだけでどんな古民家でも登録可能。山間部や農村地域などのさまざまな事情で京都の市場に流通しない物件も登録されるため、購入希望者は幅広く希望の古民家を探すことができる。
同サイトでは、売りたい人と買いたい人が直接交渉でき、互いの要望のすり合わせなど、商談もすべてサイト内で完結できる利便性に優れたシステムとなっている。直接取引が不安な場合は、正規の仲介手数料で同社が手続き・仲介を行うことも可能だ。
京都で古民家を30年以上取り扱う同社は、田舎の空き家問題が深刻化していることから同サイトを開発。売買価格が安いために不動産会社が関与したがらないなどの理由から放置される、100年以上の歴史を有する歴史的建造物ともいえる古民家を、同サイトを通じて市場に流通させることで、より多くの空き家問題の解決を目指す。
さらに、売買だけでなく、古民家をワーケーションやゲストハウスなどへの活用につなげることで、売買のみで完結する他社システムとの区別化を図る。
今後は海外版(英語)を制作し、登録された古民家を移築物件として公開予定。
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