朝日ウッドテック(大阪市)はこのほど、「日常生活における”床”を起点としたウイルス拡散実験」を実施し、くしゃみ、咳、会話時に拡散した飛沫が床に多く着地し、その床から家中に飛沫が拡散していく様子を明らかにした。11月4日に都内で開催された実験結果を発表するイベントでは、実験の監修にあたった東邦大学感染制御学研究室の小林寅喆(いんてつ)教授が登壇、実験の概要やその様子と結果を説明しながら、これからの感染症対策において床を衛生的に保つことの重要性を説いた。
行った実験は、くしゃみ・会話による飛沫落下実験と床からのウイルス拡散実験の2つ。特殊カメラで飛沫の動きを撮影し、可視化したところ、大きい飛沫が落下した後、小さな飛沫も床に広がっていく様子が確認された。また、床からのウイルス拡散実験では、飛沫に見立てた蛍光塗料をリビングの床に塗布し、夫婦役の男女に日常と変わらない生活を送ってもらったところ、床に付着した飛沫が家の中に広がっていく様子が確認された。テレビのリモコンや椅子、テーブル、食器など様々なところに蛍光塗料が付着していることがわかった。これらのことから、小林教授は、感染症対策には手指衛生だけでなく床を清潔に保つことなど複合的な衛生管理が必要と訴えた。
実証実験の裏付けをもとに、同社では10月1日に発売した抗菌製品技術協議会(SIAA)認定の天然木フローリング「Live Natural Premium<抗ウイルス仕様>」をはじめとして、抗ウイルス仕様の製品の商品化、拡販に力を入れる。Live Natural Premiumは現在、4つのシリーズを展開しており、既にすべてのシリーズを抗ウイルス仕様に切り替えている。
抗ウイルス加工は、フローリグの上塗り塗装に同社独自の銀系の抗ウイルス剤を配合し塗布。銀イオンが酸化還元反応によりウイルスの有機物を破壊・変質させて無害化するというメカニズム。暗所でも効果を発揮し、塗布後も天然木の素材感は塗布前と変わらないという。同社では2022年3月までにLive Natural Premium以外についても天然木フローリングの全製品でSIAA認定を取得し抗ウイルス仕様にするとしている。さらに今後は手すりや壁材など床材製品以外への展開も図っていく。
実験映像はこちら。→「朝日ウッドテック ”床”を起点としたウイルス拡散実験」
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