農業用ビニールハウスで木材を乾燥させると、天然乾燥よりも早く効果的に含水率を下げられることが、長野県林業総合センター(長野県塩尻市)の研究でわかった。
同センターは2005年以降、カラマツ・スギの柱材と桁材を用い、3回にわたってビニールハウス乾燥と天然乾燥の違いを比較。ビニールハウス乾燥は天然乾燥より1・4~1・8倍早く乾き、かつ、含水率をより低くできることを確かめた。
日照時間が長い長野県の気象に着目した研究。初期コスト数十万円程度の簡易な装置により、化石燃料を極力使わず安価にできる木材乾燥の普及を目指す。木の色艶や香りの変化を抑えられることも利点だ。
同センターは比較実験の結果から、ビニールハウス乾燥は大きく①高温セット(=材面割れを起きにくくする人工乾燥の前処理)後の二次乾燥②含水率のバラツキが大きな人工乾燥材を選別した後の仕上げ乾燥③板材の乾燥――の3パターンで有効に使えると考察。今後、課題の検討とそれに対する改良を加えたうえで、長野県方式としての実用化を目指す。
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