埼玉県行田市の大野建設はこのほど、市内の病院や社会福祉法人の依頼を受け、応急仮設病棟など新型コロナウイルスに対応するための建物として、木造平屋建て2棟を新築した。
自由度の高い設計が可能といった在来木造の優位性を生かしながら、コロナ禍の厳しい社会状況のなかで一刻も早く地域の受け入れ環境を整えようと、外部のサポートも含めて大工を集中的に現場に投じて短い工期で完成させた。
BCP(事業継続計画)を策定するなど、地震や豪雨など自然災害のリスクに備えて構築してきた同社の体制とノウハウが生かされた格好だ。
自然災害の被災地における応急仮設住宅の整備などで在来木造と、それを手掛ける地域工務店の存在感が増している。
新しいリスクへの対応にも、その力が求められている。
大工の力を集中させ工期半減
経験ないリスクにも臨機応変の対応
大野建設(埼玉県行田市)が新型コロナ対策として建築した2棟は、行田総合病院の応急仮設病棟と、社会福祉法人隼人会が運営する介護福祉施設「まきば園」の応急仮設住宅で、いずれも所在地は同市内。まきば園の仮設住宅は、在宅介護の世帯でケアラー(家族介護者など)が新型コロナに感染してしまい介護ができなくなってしまったときに、要介護者を一時的に受け入れるための施設だ。両施設とも埼玉県の新型コロナ感染対策の補助金を活用して整備した。
同病院の駐車場に新築した仮設病棟は木造平屋建てで、延べ床面積は287㎡。6室を備える。一部に埼玉県産材を用いた。まきば園の仮設住宅は、同園に隣接する土地に、4室を備える木造平屋建て、延べ床面積101㎡を新築した。
同病院も同園も本体の施設は、それぞれ約30年前と約10年前に大野建設が建設したもので、それ以来、施設のメンテナンスなどを担う。同社副社長の大野哲矢さんは「当初・・・・
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