滋賀県東近江市の建設会社であるハンズの注文住宅事業「ARCH(アーチ)」。年15棟の高性能で美しい住まいを丁寧につくりながら、施工管理、品質検査、現場美化などさまざまな挑戦を休みなく行っている。2019 年には施工管理アプリ「ANDPAD」を導入。その活用方法も工夫がみられた。石井悟志社長に話を聞いた。
石井 悟志氏
有限会社ハンズ 代表取締役。滋賀県東近江市。注文住宅事業・ARCH は「お客様の想いの架け橋になろう」との想いで 2016 年に立ち上げた。社員9人、新築10~15棟。石井社長は地元の情報番組「びわカン」に建築マイスターとして出演中。
意識しているのは「いままでにない工務店」
ARCHってどんな会社ですか? そう聞くと、石井社長からは「いままでにない工務店、他がやらないようなことに挑戦する工務店だと思います」との答えが返ってきた。
丁寧なライフプラン提案と資金計画に始まり、HEAT20G1グレード以上の高い駆体性能、機能的な美しさ、居心地のよさにとことんこだわり、全棟で構造計算や気密測定、施工検査を実施。そして、引き渡し後の「一生のお付き合い」を誓い、アフターに最も力を入れる。
根っこにあるのは「日本の家づくりと住宅業界を変えたい」「ARCHに関わるすべての人に幸せになってほしい」という真っ直ぐな想いだ。
専任現場監督入れずANDPAD で現場管理
若い頃に現場監督を経験し、協力業者との情報共有の難しさ、電話・FAX対応のわずらわしさをイヤというほど経験してきたという石井社長。現場管理の改革にもいち早く取り組んだ。
ARCHを立ち上げた2016年当初から、専任の現場監督を置かず、設計と大工が現場管理の役目を分担。情報のやり取りはすべてプライベート用の無料チャットアプリで行ってきた。
全職人にスマホを持ってもらい、現場ごとにグループを組んで工程表・地図・図面を共有し、1日の作業終了後に工事報告や写真をあげることをルール化。スマホやアプリの初心者でもすぐに操作に慣れ、現場のコミュニケーションに不可欠なツールとなった。しかし、手がける物件数が7棟を超えたあたりから、課題が見えてきたという。
まずは、セキュリティ面での不安。ほかにも、有効期限がくると共有したPDF形式の図面や工程表が閲覧不可となり、ファイルの再アップに手間がかかることが課題だった。また、個人登録したアカウントを使うため、社名・氏名が表示されず、だれの発言かが分かりにくい。決定的な不具合はないものの「変え時」だと判断した。
「いろいろなシステムを比較検討し、最後に残ったのがANDPAD。実際に使うスタッフ・職人たちに意見を求めたところ『工務店に特化したアプリのほうが圧倒的に使いやすい』という声が多かったことが決め手になった」と話す。
最新の工程表(画像右)をリアルタイムに確認できるため、行き違いなどのミスを防ぐことができる。
また、ANDPAD 検査(画像左)で写真提出と検査報告をルール化し、品質管理を徹底していく。
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