DIYによるリフォームを希望する人に総合的なアドバイスができる資格として「DIYリフォームアドバイザー」を認定する事業に、このほど全国ハウジングマイスター協会(埼玉県熊谷市)が参画した。同資格を創設し、資格認定を行う住環境デザイン協会(広島市)と共催で12月2日、DIYリフォームアドバイザー資格認定講座を東京都内で開催する。対象は、建築士、建築施工管理技師、宅地建物取引士、インテリアコーディネーターなどの有資格者。
同協会代表理事の戸谷信彦さんは参画理由について、住宅ストックの現状を挙げ、「今、住宅業界では、既存住宅の良質化と空き家の利活用促進という社会的使命を担う人材の確保が必要。無垢の木や自然素材を構造や仕上げに使えば長期にCO2を固定化でき、地球温暖化対策にも貢献できる。DIYリフォームアドバイザーに、空き家利活用や地球温暖化対策の推進役を期待する」と話す。
コロナ禍で生活者のDIYに対する興味や関心が高まっていることも背景にある。工務店やリフォーム会社など住宅のプロが資格をもって的確なアドバイスをすることは、本格的なリフォームのための前段階にもなり得るとして、特に工務店やリフォーム会社などへの資格取得を勧める。
DIYリフォームアドバイザー資格認定制度は、2016年度の国土交通省による補助事業「多世代交流型住宅ストック活用推進事業」の一環として2017年創設。持家や賃貸住宅のDIY型リフォームを無垢・自然素材を用いて行うとしている点が特徴で、そのためのアドバイスや実践指導ができる人材を育てることが狙いだ。
認定テスト合格者は住環境デザイン協会の名簿に登録され、DIYリフォームアドバイザーの名称を使用できる。認定アドバイザーは現在、全国で500人を超える。今後は、オンライン受講コースも設け、直接対面を避けたい受講者に配慮するとともに、地域を問わずどこからでも受講できることで資格のさらなる浸透を図るという。
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