YKK AP(東京都千代田区)は10月8日、中古戸建て住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクトとしてアイジーコンサルティング(静岡県浜松市)と共働で取り組んでいた「for LONG名古屋の家」が竣工したと発表した。
同物件は、名古屋市の準防火地域に建つ築41年の都市部狭小地の戸建て住宅を、現在の新築住宅の基準を超える断熱・耐震性能にリノベーションしたもの。狭小地で課題となる開放感・採光については、1階のリビングを広く確保するほか、らせん階段や上部に吹抜けを設置し、開放感・明るさを重視したプランとすることで解消を図った。
同物件では、窓をYKK APの高性能樹脂窓「APW 330防火窓」へ入れ替えたことなどで、UA値が改修前の3.39W/(m2・K)から0.38W/(m2・K)に向上。冬の室内での体感温度が概ね13℃を下回らないHEAT20 G2相当の居住空間となり、年間冷暖房費も6割の削減が可能となった。
耐震性能向上には、YKK APの開口部耐震商品「FRAMEII」を採用。窓の数や面積を減らさずに開口部の耐力壁量を増やしたことで、震度6強の地震でも倒壊しない耐震等級3相当の強度まで高めた。
なお、新しく追加した構造躯体や建具などには、浜松市天竜の強度の高いヒノキ材を使用。この材料は、アイジーコンサルティングが運営している林業再生活動に取り組む「JAPAN WOOD PROJECT」で生み出された国産材で、同プロジェクトは、2020年度のグッドデザイン賞を受賞している。
同物件は、2社のコンセプトモデルハウスとして事業者や一般向けに一定期間公開し、安全・安心で健康・快適な住生活を送ることができる性能向上リノベーションのノウハウ提供や、地域への情報発信に活用していく。
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