コロナ禍で、暮らしやすさや性能など住まいに対する生活者の関心が高まっている。
つくり手にとっては、クオリティーの高い家づくりを提案する好機と言える。
断熱や耐震など工務店が手掛ける住宅の基本性能の向上が図られるなか、“設計力”を武器にウィズコロナで存在感を見せる地域工務店も目立ち始めている。
アフターコロナも見据えながら、今こそ“ボトルネック化”している設計・デザイン面の課題に向き合いたい。
今号では、地域工務店とのコラボ経験も豊富な2人の建築家に、業界で慣習化している「間取り偏重」の手法など、工務店が脱却すべき設計上の課題やレベルアップにつながるポイントを聞いた。
地域工務店のモデルハウスの設計なども手掛けるi+i設計事務所代表の飯塚豊さんは「設計=間取りという考え方により、さまざまな弊害が生じる」と指摘し、「住宅のデザインで圧倒的に求められるのは空間の居心地の良さ」と説く。
鈴木アトリエ代表で新住協(新木造住宅技術研究協議会)理事を務める鈴木信弘さんは、2021年4月施行予定の住宅の省エネ基準適否説明義務化なども踏まえながら「いまの高性能は、いずれ当たり前になり差別化ポイントではなくなる」とし、「工務店が本気で設計力を磨くことが、地域に根差して持続経営していくための大切な一歩になる」と訴える。
「間取り偏重」からの脱却を
住宅デザインで圧倒的に求められるのは 居心地の良い空間
【建築家】i+i設計事務所代表 飯塚豊 さん
いま、住宅設計に携わる人のなかで、現場で実践している設計手法を学校で学んだという人はどれぐらいいるでしょう。おそらくほとんどの方が、独学か現場で先輩上司のやり方をまねるという方法で設計を身に付けていると思います。実は日本の大学の建築学科では、木造住宅の設計を学ぶ体系的なカリキュラムを持っているところがほとんどありません。私も木造住宅の設計は、独立後に独学で学びました。
木造住宅の世界に飛び込んで分かったことは・・・・
⇒ 続きは、最新号『新建ハウジング紙面 9月20日号』に掲載しています
【新建ハウジング9月20日号 その他の記事】
<5面> 地域材活用/木造店舗など表彰、県産材ブランド化めざし兵庫でコンテスト
<6・7面> 連載/「n工務店の経営術」建築と家具の“ 二刀流”で質の高い空間つくる
<9面> 連載/「法律教室」半年後に迫る省エネ基準適否説明義務への準備を
<11面> 連載/「ブランディング講座」YouTube で高品質な配信にチャレンジ
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