YKK AP(東京都千代田区)は9月11日、中古戸建て住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクトで、エコフィールド(静岡県富士市)と共働で取り組んでいた中部地方初の物件となる「静岡 富士の家」が竣工したと発表した。富士市内に建つ築45年の木造住宅を、断熱と耐震の性能向上にこだわり、現在一般的な新築住宅の性能を上回るレベルへとリノベーションした。
同プロジェクトは、同社が全国各地のビルダーやリノベーション事業者と連携して既存戸建て住宅に断熱と耐震を軸とした性能向上リノベーションを施し、住まいの価値が「窓・開口部」で変わるかを実証するプロジェクト。これまで2017年度に2物件、2018年度に4物件、2019年度に4物件を実証してきた。
同物件では、窓をアルミサッシと単板ガラス窓から、同社で最も断熱性能の高い高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」へ入れ替えたことなどで、UA値が改修前の1.94W/(m2・K)から0.43 W/(m2・K)に向上。冬の室内での体感温度が概ね13℃を下回らないHEAT20 G2相当の居住空間となり、年間冷暖房費も3割以上削減可能となった。
耐震性能向上には、同社の開口部耐震商品「FRAMEⅡ」を採用。窓の数や面積を減らさずに開口部の耐力壁量を増やしたことで、震度6強の地震でも倒壊しない耐震等級3相当の強度まで高めた。また、同プロジェクトとしては初の取り組みである「動的耐震診断」を実施しており、より詳細な耐震性能を確認しているという。
(写真上:BEFORE 外観、下:AFTER 外観)
同物件は、2社のコンセプトモデルハウスとして事業者や一般向けに一定期間公開。安全・安心で健康・快適な住生活をおくることができる性能向上リノベーションのノウハウ提供や、地域への情報発信に活用していく。
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