ヤマダ電機(群馬県高崎市)は9月8日、ヒノキヤグループ(東京都千代田区)に対する連結子会社化を目的とした株式公開買付け(TOB)実施を同日開催の取締役会で決議したと発表した。買付け価格は1株2000円。ヒノキヤグループ創業家や永大産業など合計45.71%(577万2700株)を保有する株主とのあいだで買付け応募に合意しており、50.1%(632万7600株)を上限に残りの株主からの買付けによって連結子会社化を目指す。
公開買付け期間は9月9日〜10月22日。期間内に上限に満たない場合は、第三者割当増資を含めた追加の株式取得をヒノキヤグループとの間で協議する。
ヒノキヤグループは連結子会社としてTOB後も上場を維持する。ヤマダ電機は、両グループの企業価値向上の観点から、ヒノキヤグループへの役員派遣を行わない予定。
ヤマダ電機は2018年10月に住宅・建築関連の連結子会社4社を統合して住宅セグメントを強化。今年5月にはナックの子会社で住宅事業を展開するレオハウスを完全小会社化して事業拡大に取り組んできた。一方、ヒノキヤグループは住宅事業を中心に多角化を図り、シナジーの見込める他社をグループ化して事業領域を拡大。新設住宅着工戸数の減少が見込まれる市場において、他社との資本提携を含めた抜本的な成長戦略の必要があったことから、ヤマダ電機との資本・業務提携を模索し、今回のTOBを通じた資本提携に合意した。
両社は今後、両グループ間での人的交流、「可視光 型光触媒」、「Z空調」、「Wバリア工法」などの不足機能の相互補完、展示場統廃合など重複機能の削減による経営効率化、従来の住宅メーカーの枠に捉われない柔軟な発想による顧客獲得手法と新たな顧客層の獲得、IoT住宅の開発、スケールメリットを活かした住宅資材・部材や住設機器の共同仕入、「家電住まいる館」などを通じた販売機会の獲得と顧客からの認知度向上などを見込む。
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