日本ペイントホールディングス(東京都中央区)は8月21日、シンガポールの塗料大手であるWuthelam(ウットラム)グループと運営するアジア地域の合弁会社の持分追加取得とインドネシア事業の子会社化、第三者割当による新株式の発行と親会社の異動を発表した。同日開催の取締役会で決議し、同グループとの事業譲渡契約を締結した。
同契約により、日本ペイントHDは同グループとのアジア地域での合弁事業の持分を概ね100%に高める。また、これらの事業譲渡とともに、同グループのNIPSEA INTERNATIONAL LIMITED(NIP)が日本ペイントHDの第三者割当増資を引き受けて親会社となる。これにより、「アジア一体化による成長基盤の構築」と「今後の成長に資する財務基盤の強化」を推進し、「株主価値の最大化」に向けた攻めの経営を加速させる。
日本ペイントHDは1962年にアジア販売代理店としてウットラム・グループと提携し、シンガポールで合弁事業を開始。その後、タイ、マレーシア、中国などアジア各国でも合弁事業を進めてきた。2014年にはアジア事業の拡大を図るべく、合弁事業のマジョリティ持分を取得。さらに今後もアジア地域で確実な塗料需要の増大が見込めることから、今回の合弁事業の持分追加取得を決定。特に、高成長するインドネシア事業を取り込むことで「アジア×建築用」事業モデルを確立する考え。
同グループを引き受け手とする第三者割当増資では、財務基盤強化によってM&Aを積極化し、成長を加速させるほか、利益の社外流出を抑えることで資源配分の全体最適を進める。グローバルで一体化して推し進める体制を構築することで迅速な意思決定と執行を可能にする。
第三者割当増資による発行新株式数は1億4870万株。調達資金額は1兆1851億3900万円。NILが1億3170万株、同グループのFraserが1700万株を引き受ける。これにより、NIL保有株式の総議決権数に対する割合は39.54%から55.07%に高まる。
今回の合弁事業譲渡と親会社異動の実行日は来年1月1日を予定する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。