LIXILグループ(東京都江東区)は8月6日、2021年3月期第1四半期(4〜6月)決算を発表した。売上高は前年同期比15%減の3105億円、他社の営業損失にあたる事業損失は26億円(前年同期=事業利益105億円)、純損失は37億円(同=純利益129億円)だった。
国内における今年1〜3月の新設住宅着工件数の減少、新型コロナウイルス感染拡大による消費需要減退や建設活動の減少の影響、海外事業の全地域におけるロックダウンの影響を受けて減収となった。また、国内事業での働き方改革などによる販管費削減や、欧米事業の6月以降の需要回復といったプラスの面もあったものの、前年度に計上した関連会社(Permasteelisaおよびその子会社、LIXILビバ)に対する持分の譲渡益の剥落により、最終損益は赤字となった。
セグメント別に見ると、ウォーターテクノロジー事業の売上高が前年同期比16%減の1655億円、事業利益が同78%減の30億円。ハウジングテクノロジー事業の売上高が同14%減の1173億円、事業利益が同30%減の52億円。新型コロナ感染拡大への対策が求められるなか、前者では非接触型のタッチレス水栓、後者では玄関用収納網戸、宅配ボックス、リフォーム用シャッターといった特定商品の販売が好調に推移した。
2021年3月期の業績予想は、売上高が前期比11%減の1兆3500億円、事業利益が同52%減の250億円とした。
瀬戸欣哉社長は、「我々としては、第1四半期でコロナにおける大きな一時的な問題は通過しつつある。我々のビジネスへの直接的な影響としては、工場のシャットダウン、ショールームの閉鎖、現場等に立ち入れなかったことといったフィジカルなことに限られる。海外においては5月が底、日本に関しては8月から9月が底になると見ている。後半以降はむしろ昨年比で成長していくことができるだろう」との見通しを語った。
また、新型コロナ影響下での事業展開を振り返り、「在宅勤務を含めた働き方改革の進行、コストが大きく削減できたこと、オンラインショールームのような新しい売り方を生み出したこと、ユーザーのみなさんがお金をかけるのなら住宅にかけていきたいという気持ちを確かめることができたことなど、長期的にはプラスになった部分が多くあった。来年以降のビジネスに関して、非常に強い自信を改めて持つことができた」と手応えを示した。
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