テクノロジーを活用したリノベーション・プラットフォーム事業を全国で展開するリノべる(東京都渋谷区)は8月5日、MR(複合現実)技術を活用した遠隔施工管理における実証実験と一部現場への導入を実施すると発表した。日本マイクロソフト(東京都港区)が提供する「HoloLens 2」と遠隔支援ソリューション「Dynamics 365 Remote Assist」を活用して実施するもの。これにより、通常の二次元映像を用いた遠隔施工管理における実空間への指示の出しづらさや、設計図をはじめとする資料共有が難しいといった問題の解消につなげる。
「HoloLens 2」と「Dynamics 365 Remote Assist」を利用したサービスでは、遠隔管理業務の難点だった広さ・高さ・奥行きの三次元空間の把握や指定が、設計士や施工管理者の居場所に依存せずに可能。同プロジェクトでは、施工現場で現場担当者が「HoloLens 2」を着用し、「Dynamics 365 Remote Assist」を利用することで、オフィスにいる設計者とのあいだで「Microsoft Teams」を通したコミュニケーションが可能になる。
現場担当者の目の前には設計士からの指示や設計図をはじめとした関連資料が実空間上に提示され、オフィス側の設計者は高解像度の現場映像が確認できる。これにより、今まで生じていた確認箇所や作業指示に関する認識合わせの難しさの解消を目指す。
今回の実証実験と一部現場への導入では、MR技術のメリットを享受するとともに、MR技術の制約条件やそれに対応するための実オペレーションを検証することで、実際の業務装着を想定した今後の意思決定や業務設計のための情報取得を目指す。
「HoloLens 2」の現場導入については、MR技術を活用したサービスの強みが活きる複数の施工案件から開始し、6カ月程度の仮運用を通じて対象範囲の拡大を検討する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。