広い地下室をもつ物件
プラン作成に向け、早速大沼さんは現地に足を運んだ。これまで多数の大規模リフォームを手掛けてきた大沼さんだが、熟練したプロの目で見てもAさん夫妻が検討している物件はユニークだった。
まず建て物が大きく3つに分かれていた。1つは敷地の北側に建つ築60年程度の木造住宅。この敷地に最初に建てた建て物だ。その隣に築40年程度の木造住宅が増築されていた。さらにその隣には大きな倉庫が設けられ、増築部分とつなげられていた。
住宅部分はどちらも畳敷きの和風住宅だったが、増築部分の間取りは独特だった。1階は玄関が異様に広く、さらに廊下を挟んで大きな座敷が配置されていた。
2階は15畳の和室と収納だけで構成されていた。
玄関や座敷の造作や欄間などの装飾は手が込んでおり、屋根には本瓦が葺かれているなど、費用をかけてつくられたことが見て取れた。一方、最初に建てた住宅は簡素なつくりで、凝った納まりや装飾要素はなく、屋根もセメント瓦だった。
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