旭化成ホームズ(東京都千代田区)二世帯住宅研究所はこのほど、二世帯の家族構成の変化や娘夫婦同居の増加などを背景に、「キッチン1つを二世帯でシェアする暮らし方」について調査を実施した。1つのキッチンを親世帯・子世帯がどのように使っているか調べたところ、平日夕食では、両世帯分を子がまとめて作る「子集約」(38%)と、「(子と親で)協力・分担」(36%)が共に4割近くに上った。キッチンが2つある場合では、世帯別に調理する人のうち、平日夕食では6割以上が「差し入れ・持ち寄り」をしていることがわかった。
二世帯同居における食事の仕方を、親世帯と子世帯が「一緒」に食べるスタイルと、「別々」に食べるスタイルに分類し、それぞれのスタイル別に理由を調べたところ、一緒に食事をする理由は「コミュニケーション」に関連する回答が多く、別々に食事をする理由は「時間のずれ」に関するものが多かった。
自宅でくつろぐ場所を尋ねたところ、キッチン1つの場合は「個室」でくつろいでいるとの回答割合が高かった。また、子世帯より親世帯の方が、個室でくつろぐ傾向が強く見られた。
同居の理由を尋ねたところ、親世帯では「子世代が望んだから」との回答が最も多く、次いで「何かあった時に助け合えるから」となった。子世帯では「何かあった時に助け合えるから」が最も多かった。両世帯ともに「何かあった時に助け合える」が「育児や家事の協力を考えて」よりも上位であることから、日常的な育児・家事の協力よりも、非常時に備えて安心感を得ることを重視して同居を選択しているとする。
同居生活に対する意識では、「経済的に自立」、「自分たちのスペースでくつろぐ」、「自分たちの生活リズム、価値観で暮らしている」という人が、キッチン2つでは8割以上、キッチン1つでも 7 割前後となった。
同社が展開する戸建て住宅「ヘーベルハウス」契約者を対象とした調査によると、二世帯同居の家族構成で近年増加傾向なのは「娘夫婦同居(娘夫婦+親世帯)」、「親ひとり(親1人+子世帯)」、「子世帯ひとり親(子世帯がシングルマザー・ファザー)」の3タイプ。いずれもキッチン1つの比率が5割以上であることがわかった。
調査時期は、2018年3月及び2019年3月~4月。調査対象数は、親世帯が173、子世帯が531。
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