大和ハウス工業(大阪市)は、テレワーク用スペースを設置した戸建て販売に注力する。6月1日から2種類のテレワーク用スペースの提案を開始し、6月は56棟を販売した。同社では月間100棟を目指す。
クローズド空間の「快適ワークプレイス」と、リビングとつなげた「つながりワークピット」の2種類を用意。「快適ワークプレイス」では防音ドアや二重窓で生活音に邪魔をされないことに注力した他、部屋の角に吸音材を置くなど「コーナーチューン」という独自の音響仕様を採用し、テレカンの声が明瞭に聞こえるような工夫も行った。
「つながりワークピット」では他の家族の様子をうかがいつつ、集中度を高めるためドアを閉めることもできる。どちらの仕様も奥行き60cmの机やWi-Fiスポット、仕事や趣味など気分に合わせた3光色LED照明を備える。価格は「快適ワークプレイス」が約3畳の納戸空間にプラス71.5万円~、「つながりワークピット」は同じく44万円~(いずれも税込み)。
大和ハウスによるテレワーク経験者への調査では63.9%がテレワークにストレスを感じており、理由として「仕事とプライベートの切り替えが難しい」点を同じく63.9%が挙げている。テレワーク空間の開発には、楽器演奏用の防音室のある戸建てのノウハウが役立ったという。
取締役常務執行役員の大友浩嗣氏は7月8日の記者説明会で、「新型コロナウイルスの影響で職住融合が進んでおり、住宅も変化に対応するチャンスだと思う」と説明。郊外での戸建て購入の際などに訴求していくとした。発売した6月に56棟で採用され、「発売直後にもかかわらず反響はいい。目標は月100棟」と語った。注文住宅以外に分譲住宅でも採用していく方針としている。
新型コロナの影響で展示場来場者は4月77%減、5月63%減と落ち込んだが、7月に入り来場者以外に分譲住宅や土地の問い合わせも増えてきたという。大友氏は「来場予約制など3密を避けながら営業も行っていく。コロナ以前の社会には戻らないと思うので、状況に寄り添いながらスタイルも進化させたい」と語った。
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