マイクロソフト、長谷工などと建設業をDX化

2020年7月6日 18:36

長谷工コーポレーション（東京都港区）とアウトソーシングテクノロジー（東京都千代田区）、日本マイクロソフト（東京都港区）は7月6日、マンションの外壁タイル打診検査にMR（複合現実）を用いた「AR 匠 RESIDENCE（エーアールタクミレジデンス）」を共同開発したと発表した。今後、建設・不動産業界のDX（デジタルトランスフォーメーション）による生産改革を共に進めていく方針。

「AR 匠 RESIDENCE」はマイクロソフトの「HoloLens 2」というゴーグル型の端末を使用する。レンズを通してみると、現実空間に外壁打診に必要なバーチャル情報が重なって見えるようになっている。従来の打診検査は2人1組で行っていたが、このシステムを使うと1人で行うことが可能。報告書も検査を行うと自動生成され、クラウドの「Microsoft Azure（マイクロソフトアジュール）」に保存される。長谷工によると建物診断業務全体の約30%を削減できるという。

長谷工の取締役常務執行役員の楢岡祥之氏は、同システムを今月から首都圏での長谷工リフォームによる外壁打診検査に使う他、「新築工事でもMR導入を進めたい」と7月6日の記者発表会で説明。日本マイクロソフトの執行役員常務クラウド&ソリューション事業本部長兼ワークスタイル改革推進担当役員の手島主税氏は「新型コロナで人の行動は変わる」とし、建設・不動産など現場仕事のデジタル化の重要性を述べた。