2012年度の政府予算案が12月24日、閣議決定された。一般会計総額は90兆3339億円と、当初予算では6年ぶりに前年を下回ったものの、東日本大震災の復旧・復興費用を別枠かしているため、これをあわせた実質は、96兆円超となる。住宅関連では、中小工務店のゼロ・エネルギー住宅建設を支援する補助事業のほか、地域の生産体制整備にからめた長期優良住宅の普及の取り組みを支援する補助事業などが盛り込まれた。原発問題でエネルギー基本計画の見直しが進むなか、省エネ化や低炭素社会の構築に向けた取り組みが多く盛り込まれている。
住宅のゼロエネ化を推進する補助事業は、国土交通省と経済産業省が共同で実施する。うち中小工務店のゼロエネ住宅建設を支援する補助制度は、国土交通省が担当し、ゼロエネ住宅建設1戸あたり最大165万円を補助する。経済産業省が実施する補助事業は同じゼロエネ化がテーマでも、省エネ機器やエネルギー管理システムを組み合わせたシステムの導入に対する補助として制度設計。先ごろ行われた提言型政策仕分けでは、両省の事業の類似性が指摘され、窓口を一本化するなど合理化を図った形だ。
地域での長期優良住宅の供給体制整備を支援する「地域型住宅ブランド化事業」は、「木のいえ整備促進事業」の後継事業。これまでと違うのは、材料供給者や施工業者、設計者などが連携して、地域の生産体制を作って供給していく取り組みを補助の要件とする点。補助率などは同じで、地域材を使った場合、最大で1戸あたり120万円の補助を受けられる。
このほかにも、空き家をリフォームしてセーフティネットとして活用する事業やサービス付き高齢者住宅の整備を後押しする補助制度などが案に盛り込まれた。
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