東京都は7月3日、住宅政策審議会の今年度第1回企画部会を開催した。2021年度中の新たな「東京都住宅マスタープラン」の策定に向け、災害や新型コロナウイルス感染拡大への対応や現時点での課題の整理などを話し合った。
住宅マスタープランは審議会の答申を受けて5年ごとに改定しており、現行は2016年11月の答申を受けて2016~25年度までの期間としている。総論の他、居住者の視点、住宅ストックの視点、産業・新技術の視点、持続可能なすまい・まちづくりと地域の視点、長期的な視点などから検討していく。
現状の報告として、良質な家づくりの推進では新築住宅における長期優良住宅の割合は2018年度で4.2%、戸建ては17.3%となっている。現行省エネ基準より3割一次エネルギー消費量を削減し、戸建ては棟当たり70万円、集合は戸当たり30万円の補助が出る「東京ゼロエミ住宅」は2019年度の交付件数が戸建て392戸、集合42戸だった。既存住宅への高断熱窓導入への補助事業は同年度8608戸の実績。創エネ機器設置への補助は同年度で蓄電池システムが3651件、V2Hが7件、家庭用燃料電池が5660件、太陽熱利用システムは31件だった。省エネ関連補助の利用は多く、都は今後も環境問題改善へ推進していく方針。
新型コロナではテレワーク普及や郊外志向など、働き方や住まい方、居住地選択などに大きな影響が考えられることもあり、論点の一つとしてとらえていく方針としている。また5月に原案が出た、AIやIoT活用、災害対策などを盛り込んだ都の都市計画区域マスタープランや、今年度末に改定予定の国の住生活基本計画などとの調整も図っていく。今年末に答申骨子をまとめ、2021年度中の新住宅マスタープラン策定を予定している。
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