積水化学工業の調査研究機関・住環境研究所(東京都千代田区)は、2010年から行っている「介護と住まいの調査」の第三弾として、電車・車で30分以内に行ける距離での親の近居介護のきっかけや生活支援などについて聞く「近居介護の実態調査」をまとめた。今年2月に首都圏・近畿圏・中部圏の近居介護実施者300人にインターネット調査を行い、その後8月に首都圏の20人にインタビューを行った。
近居介護者のうち「もともと近居・隣居」は81%、介護のために「呼び寄せ・自分たち(子)が行く」は14%だった。介護が必要となってから近居するのは少数派で、既に近居の状況から介護へと移行するのが多数派だった。
近居を選択した理由は、「同居よりは気兼ねがない」59%、「親がまだ自立して生活ができる」49%、「いざというときにすぐにいける距離だから」48%が上位を占めた。タイプ別にみると、呼び寄せによる近居の場合は48%が「同居するには家が狭い」をあげており、住宅の広さの事情から近居を選んでいることがうかがえる。
生活支援の内容としては親の身体状況に関わらず、「病院や外出の付き添い」73%、「掃除・買物・洗濯など家事支援全般」68%、「話し相手」66%と続いた。
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