ミサワホーム(東京都新宿区)は6月30日、新型コロナウイルス感染拡大による在宅勤務者への意識調査と課題の解決ポイントを発表した。同社のシンクタンクであるミサワホーム総合研究所がまとめたもので、2012年に住宅商品に導入している在宅ワーク用空間「ミニラボ」を発展させての提案などを行っていく方針。
調査は在宅勤務を行った20~69歳の男女824人を対象に実施した。在宅勤務を行った場所で多かったのは「リビング」が55.3%、次いで「書斎」23.2%、「寝室」17.7%だった。在宅勤務での困りごととして、リビングは「仕事に適した部屋がない」が35.1%、書斎は「運動不足や座りっぱなしによる身体疲労」が31.9%、寝室が「仕事に適した家具・設備がない」が34.9%で最多だった。
在宅勤務した場所の数は「1カ所」が70.9%で、この回答者に環境があれば、複数の場所をどのように使い分けたいかと聞いたところ、「集中したいとき(1人で行う業務)」が46.4%だった。今後の住まいに取り入れたい要素として在宅勤務空間では「4畳半程度の個室」が「取り入れたい」29.5%、「やや取り入れたい」32.9%と高かった。
ミサワホーム総研では仕事環境を整備するための3つの視点として「不快な刺激を入れない」「快適な刺激を取り入れる」「刺激を受け止め調整する」を挙げた。「不快な刺激を入れない」では個室や半個室で壁に向かって集中できるようにする、「快適な刺激を取り入れる」では、発想を膨らませたいときなどにLDやバルコニーで眺めや光を取り入れる、「刺激を受け止め調整する」ではキッチン横スペースなど家族共用の場で子どもの様子を見ながらといったシーンが想定される。
ミサワホームでは、2012年に在宅ワーク用の個室として「ミニラボ」を発表。約2畳のスペースで、女性に特に求められることが多かった、子育てや介護と両立しながらの在宅勤務を想定して開発されたという。4畳半程度のニーズが調査結果で多かったことも踏まえ、今後の提案に生かしていく方針としている。
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