三井住友信託銀行(東京都千代田区)が、資産形成や資産管理に関する調査・研究を目的に設置している三井住友トラスト・資産のミライ研究所はこのほど、「住まいと資産形成に関するアンケート調査」を実施し、その結果を発表した。
住宅ローン状況別(「持家/ローンあり世帯」「持家/ローン返済済み世帯」「持家/ローンなし世帯」「借家・親と同居/ローンなし世帯」の4グループに分類)の保有金融資産額の推移を比べたところ、40歳代では、「持家/ローン返済済み世帯」と「持家/ローンなし世帯」の資産形成が大きく進み、保有額は1000万円前後となった。60歳代時点の保有額は、「持家/ローン返済済み世帯」と「持家/ローンなし世帯」が2000万円前後であるのに対し、「持家/ローンあり世帯」と「借家・同居/ローンなし世帯」は1000万円前後と、持家と住宅ローンの保有状況によって保有金融資産額に2倍の開きが出る結果となった。
持家購入者に、最も大きな購入動機を尋ねたところ、全世代を通じての第1位は、「賃貸の家賃を払うなら(ローンを払ってでも最後は家が)自分のものになったほうがいいから」だった。30歳代では第2位が「子ども」、第3位が「結婚」と、世帯構成の変化やライフイベントの発生が上位となり、20歳代については、「自分の住宅を保有することが夢だったから」(22.5%)がトップとなった。
住宅ローン返済の負担感としては、「少し負担に感じる」が52.4%で最多。続いて「負担に感じる」(25.1%)、「まったく負担に感じない」(12.1%)となった。30代では「まったく負担に感じない」が9.6%と、他世代より低かった。
資産形成に向けた取り組みの実施状況を調べたところ、全世帯ベースでは7割が「資産形成への取り組みを行っている」と回答。住宅ローン状況別では、「持家/ローンあり世帯」の実施率が最も高く、8割が住宅ローンを返済しつつも資産形成に向け何らかの取り組みを行っていることが分かった。年間資産形成額としては、「持家/ローンあり世帯」の5割が「50万円未満」と回答。「300万円以上」は5%未満にとどまった。
住宅ローンを保有していて資産形成にも取り組んでいる世帯を対象に、家計面で行っている具体的な工夫・努力を尋ねたところ、全体での実施率トップは「ポイントやマイルの活用」だった。ただし、金融資産保有額300万円未満では35%、300万円以上では45%と、実施率に差が見られた。
世帯として保有している金融資産額の平均は20歳代が「270万円」、30歳代が「585万円」、40歳代が「727万円」、50歳代が「1100万円」、60歳代が「1828万円」と、年齢とともに増加していることが分かった。
調査対象は、全国の20~64歳の男女1万780人。
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