大東建託(東京都港区)は6月8日、「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」を東京都江東区にオープンした。新型コロナウイルスの影響も見極めながら、同施設により地主に賃貸住宅と経営の魅力を訴求する。展示場内には賃貸住宅の性能や経営に関する展示が行われ、CLT(直交集成材)による大屋根を設置。CLTの性能に関する展示に加え、敷地内にCLTモデル棟も建設している。
同展示場は東京メトロ有楽町線・ゆりかもめ豊洲駅から徒歩11分、りんかい線東雲駅から徒歩14分の立地。総事業費は約90億円。延床面積はメインの建物が3725.57m2。地上4階建てで、1階に展示施設とアトリウム、2階に展示施設、3階にセミナールーム、4階がラウンジとなっている。最大の特徴はCLTによる34m×50m×60mの三角形の大屋根で、約500m3の国産杉によるCLTパネル128枚を利用した。「ROOFLAG」の来場は完全予約制で、現在1日5組の来場を近々10組程度に拡大する方針。賃貸住宅建設を検討する地主への説明に活用する。
展示施設では大東建託の歴史や賃貸経営のパネルの他、触るとアニメーションが始まるタッチパネルなど最新機器も利用。立体感のある大型映像装置を用いたシアタールームや、カプセル内で遮音性能の確認ができる装置もある。敷地内にはツーバイフォー工法2階建てとCLT工法3階建てのモデル棟も設置。それぞれ、中に入ることができ、賃貸住宅内のイメージを見ることができる。CLTモデル棟はCLTならではのオーバーハングや吹き抜け空間も設計に組み入れた。同棟と本棟の展示施設にはCLT賃貸住宅の詳細な説明がある。
大東建託ではCLT4階建て商品として2019年10月に「Forterb(フォルターブ)」を発売。CLT用のオリジナル耐火外壁や、ビス留め式ではなく工場でパネル内に収納するオリジナル金物も開発している。今後、CLT賃貸住宅の販売に注力していく。
6月24日の「ROOFLAG」内覧会には設計を手がけた、マウントフジアーキテクツスタジオの原田麻魚氏も出席。「欧州の建築家との交流で、5年ほど前にCLTを使い出した」と振り返り、様々な場面で使用し、今回の60mスパンの大屋根にたどり着いたことを説明した。また、「CLTの施工は工場での加工がとても重要」と述べた他、「ROOFLAG」のようなコンクリートなど他素材とも含めた接合部の仕上げなども注意が必要とした。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。