総合化学メーカーのトクヤマ(山口県周南市)とトヨタ自動車(愛知県豊田市)はこのほど、トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」に搭載されている燃料電池システムを活用した定置式の燃料電池発電機(FC発電機)をトクヤマ徳山製造所(山口県周南市)内に設置し、副生水素を利用した実証運転を開始した。2022年3月末まで実施する予定。
FC発電機は、「MIRAI」に搭載されているFCスタック、パワーコントロールユニット(PCU)、2次電池などのFCシステムを活用するもので、トヨタとトヨタエナジーソリューションズが高性能で安価な機器の製造を目指して共同開発。今回の実証運転では、愛知県豊田市のトヨタ本社工場内で昨年9月から実証運転中の定格出力100kWのFC発電機をベースに、定格出力を50kWに変更し、部品レイアウトの見直しなどによりメンテナンス性向上などの改良を加えたものを導入した。
同実証運転で、トクヤマは、食塩電解法で苛性ソーダを製造する時に副次的に発生する副生水素を安定供給する役割を担う。FC発電機で発電した電力は、定格出力50kWで徳山製造所内へ供給する。
トヨタは、水素使用量当たりの発電量などのエネルギー効率、発電出力の安定性、耐久性、メンテナンス性、海風による塩害の影響などの検証・評価を行う。さらに、副生水素の活用による発電性能への影響や、外部から水素を購入した場合と比べた燃料代などの経済性を試算する。
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