住友林業(東京都千代田区)は、建築資材の流通を軸に事業を展開するミヨシ産業(鳥取県米子市)広島営業所(広島市)の新築工事で、木質構造部材の調達・加工及び躯体工事を担当した。同物件は、事務所棟と倉庫棟からなる薄物CLTのみで建築された物件で、林野庁の2019年度CLT活用建築物実証事業に採択されている。延床面積は、事務所棟が157.3m2、倉庫棟が498.2m2。6月13日に開設した。
使用したCLTは、主にミヨシ産業の関係会社である鳥取CLT(鳥取県西伯郡南部町)が生産したもの。鳥取CLTは、90mm以下の薄物CLTを専門とする製造会社で、同物件には36mm・45mm・54mm・72mm・90mmの5種類の厚さのスギCLTが合計80m3使用されている。ハフニアム アーキテクツ(神奈川県川崎市)が意匠・構造設計、現場での設計監理を一貫して担当。元請けである蜂谷工業(岡山市)による工程管理、施工指導のもと、同社は専門工事業者(サブコントラクター)として、施工図の作成、製造工場・加工工場に対する品質管理、施工計画立案を行い、2020年1月より建て方工事を開始した。
事務所棟は一部の柱に72mm厚CLTを用いた在来軸組工法で、庇を兼用する臥梁を45mm厚CLTで構成。屋根を支える小屋組は加工難易度の高い三角形の 54mmCLTを組み合わせた立体張弦トラスとし、9.1mスパンの構造美あふれる執務空間を実現した。
倉庫棟は主構造をCLTとした工法。90mm厚CLT壁柱の上部に72mm厚CLTで臥梁を設けている。小屋組はスパン13.2mの集成材張弦トラスに室内側に36mm厚CLTを用いたストレストスキンパネルを架け渡している。壁柱相互間には、様々な建材商品をストックするための棚板を36mm厚CLTで設置した。
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