住友林業(東京都千代田区)と住友林業緑化(東京都中野区)は、陸前高田市の高田松原で東日本大震災の津波被害を受けながら唯一残り、「希望の松」と呼ばれる松の後継樹の育成に成功したと発表した。
高田松原は、江戸時代につくられた約7万本の松の防潮林で、景勝地として知られていた。それが3月11日の津波で1本を残してすべてが消失。残った一本松は被災者の希望の象徴となっていた。
両社は、社団法人日本造園建設業協会岩手県支部から依頼を受け、接ぎ木・挿し木・組織培養によるクローン増殖と、種子からの苗の育成に取り組んできた。結果、接ぎ木による3本のクローン苗と、種子からは18本の苗の育成に成功したという。
「希望の松」本体は根腐れにより保護を断念したものの、今回育成に成功した苗および多くの後継樹を育てていくとする。
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