政府は6月16日、2020年版土地白書と首都圏白書を閣議決定した。土地白書では、土地所有者の責務を明らかにした改正土地基本法の成立を受け、同法の内容の紹介の他に、管理不全土地の問題などを取り上げた。
利用されていない土地の所有者へのアンケート調査では、49.8%が売却の意向があった。日常的に利用されていない土地の管理状況については所有者の81.0%が自主的な管理か委託を行っている。土地を管理していない者にその理由を聞いたところ、「遠方にあり、わざわざ行くことに負担を感じるため」が41.7%で最多だった。
国土交通省による「土地問題に関する国民の意識調査」の結果も紹介。「土地を所有したいか」との問いには「所有したい」56.6%、「所有したくない」は32.5%。所有したい理由は「居住用住宅等の用地として自らで利用したいから」が57.7%、「子どもや家族に財産として残したい(相続させたい)から」が36.5%。所有したくない理由は「所有するだけで費用や手間がかかるから」が30.0%、「使い道がないから」が25.1%。「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か」との問いには大都市圏では「そう思う」30.5%、「そう思わない」42.6%に対し、地方圏ではそれぞれ24.8%、47.1%だった。
首都圏白書では今年から首都圏人口が減少局面に入り、高齢化率が今年は26.3%、2040年には34.5%と高まっていくことから、高齢化社会をテーマとした。都市再生機構(UR)が手がける高島平団地(東京都板橋区)や豊四季台団地(千葉県柏市)で行っている、団地再生とサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や医療・介護施設を誘致し、連携している例を紹介した。高島平団地では既存の住棟の空き部屋を、分散型のサ高住として利用している。
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