新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され、「新しい日常」が始まっています。第2波に備えながらも、「新しい生活様式」のもと、暮らしや経済を立て直していくwithコロナの社会で、暮らし方や住まいは、どのように変わっていくのでしょうか。
住宅業界はこれから、緊急事態宣言のもとでブレーキがかかった事業のアクセルを踏む“反転攻勢”のフェーズに入ります。事業を本格化すると同時に重要なのが、withコロナにおける暮らし方や住まいに対する生活者の新しいニーズを見定めることです。
新建ハウジングでは7月10日より、「withコロナ・ステイホームで日本の家づくりはどうなる?」をテーマに、『住宅産業大予測フォーラム2020オンライン◎夏の特別版』を配信します。
シンケン・代表取締役の迫英德氏、Livearth(リヴアース)・代表取締役社長の大橋利紀氏、ハイアス総研・主席研究員の矢部智仁氏、新建ハウジング発行人の三浦祐成が登場し、全国の工務店の皆さんと一緒に、withコロナの家づくりについて考えます。
概要・スケジュール
動画配信日時 | 7月10日(金)18時~8月6日(木)24時まで |
内容 |
■コンテンツ 講演① 日本の家づくりはどうなる?(30分) 三浦祐成 新建ハウジング発行人 講演② 生活者の家づくりニーズを考える(30分) 矢部智仁 氏 ハイアス総研 主席研究員 講演③ コロナショックで「変わること」・「変わらないこと」(20分) 大橋利紀 氏 Livearth(リヴアース) 代表取締役社長 講演④ 変わらない家づくりの本質とゆるぎない経営 (40分) 迫 英徳 氏 株式会社シンケン 代表取締役 トークセッション①:2経営者に聞く、コロナ禍を追い風にする工務店経営(35分) 迫 英徳 氏 株式会社シンケン 代表取締役 大橋利紀 氏 Livearth(リヴアース) 代表取締役社長 トークセッション②:シンケンリーダーに聞く、工務店の未来をつくる3つの戦略(50分) ・潜在客『1000倍創造』とコミュニティ 加賀江広宣 氏/ユーザーズサポート コミュニティ担当 ・社員大工による新会社『ミケラン』設立 垣本崇志 氏/大工 統括 ・思想・価値観の共有と『未来絵2030』 橋本 仁 氏/営業 鹿児島リーダー 迫 英徳 氏 代表取締役 |
視聴形式 | オンラインにて |
視聴URLについて | 入金確認次第、視聴URLをご案内いたします。 ※入金が確認できない場合、ご視聴いただけません。 |
参加費 | 5,000円/名(税込) |
受付締切日 | 7月31日(金)17時まで |
支払期限 | 8月3日(月)15時まで |
参加資格 | 新建ハウジング定期購読者 |
講師
迫 英德 氏
株式会社シンケン 代表取締役
【プロフィール】
1950年鹿児島市生まれ。少年時に生業を「家をつくること」と決意し、基礎・屋根・建具・大工・現場管理・営業・等々を経験したのち、1977年にシンケンを創業。独自仕様と設計思想を追求した「シンケンスタイル」を確立。現在、鹿児島と福岡の2拠点をあわせ社員・スタッフ110名あまりで年間70~80棟の注文住宅を供給する。2018年より新たな社屋兼コミュニティ拠点「みかんの丘」を造成・建築中。
【迫社長よりメッセージ】
コロナ禍は、飲食・観光・航空業などと比べれば、我々のような地域工務店業ではほとんど影響がなかった。むしろ外出自粛中に家で過ごす時間が増えたことで、改めて住まいの価値が見直され、「家なんてどれも同じ」と考えている人が、居心地の良い家とはどういうものかを考えるきっかけになった。当社も「自宅で充実したステイホームの時間を過ごせた」とオーナー(OB顧客)から感謝の言葉をもらい、4~5月に平時よりも資料請求の件数が増えた。今後の社会の価値観の変化は、自社の追い風になると感じている。
私は他の会社の経営をとやかく言う立場にはない。ただ、このコロナ禍をきっかけに、地域工務店経営者が何のために仕事をしているのかを自問自答し、考えを整理することはよいと思う。自分たちは誰に対して、どんな家をつくり、最終的に何を実現したいのか。そのために何を大切にし、何を捨てるのか。目先の受注数、売上高、会社規模の追求は、最終的な目的にはなり得ないからだ。
フォーラムでは、27歳に独立創業して以来、追求してきた経営の本質を自分の言葉で語りたい。また三浦さんの要望に応え、新たに挑戦している3つの取り組みについて担当する社員から紹介する。視聴者の皆さんからの質疑に応じたい。皆さんに少しでも参考になるものをつかんでもらえたら幸いだ。
矢部智仁 氏
ハイアス総研 主席研究員
【プロフィール】
ハイアス ・アンド・カンパニー株式会社 執行役員、ハイアス総研 主席研究員。1987年株式会社リクルート入社、2009年からリクルート住宅総研所長。2014年にハイアス ・アンド・カンパニー株式会社入社、2015年から現職。住宅不動産業業界の動向調査や市場調査を通じて得た知見を活かし業界向けや消費者向けに講演や寄稿実績を持つ。専門家として国土交通省が設置する委員会や業界団体等による研究会の委員を歴任。東洋大学大学院客員教授、国土交通省PPPサポーター。
【矢部氏よりコメント】
ハイアス総研では5月21~22日にかけて全国の生活者341人に対して「withコロナ/アフターコロナ時代の住宅に関する意識調査」を実施した。フォーラムでは、この調査結果を詳しくひも解きながら、地域工務店にいま求められている家づくりのあり方を考えたい。
キーワードはハウスからホームへの転換。コロナで、強制的に家で仕事をする、家族と一緒に家で長時間過ごすことを経験したことで、家に求めるものが大きく変わった。家づくりにおいては、性能値は差別化ポイントではなく、当然満たすべきものになり、その中でどんな価値を提供できるかが、つくり手に問われる。フォーラムでは、そこを深掘りしたい。
住宅市場は、総人口とほぼ同じペースで縮小を続けている。従来型のビジネスモデルに固執すれば、先に淘汰されるのは年間数100 棟のビルダーよりも年間1~5棟の小さな工務店だ。だが需要の変化を敏感につかみ、家づくりの新たな価値に適応し、新たなやビジネスモデルに転換できるのも、また小さな会社である。ぜひこの機会に、経営者と社員で現状を把握・共有し、中長期的な展望を議論するきっかけにしてほしい。
大橋利紀 氏
Livearth(リヴアース) 代表取締役社長
【プロフィール】
2014年にドイツ・スイスにてエコロジー建築を学び、日本版のエコロジー住宅の模索を決意。2016年・自立循環型住宅研究会アワードにて最優秀賞受賞。2018年・新ブランドLivearth(リヴアース)立ち上げ。2019年・東京大学開催「パッシブ委員会シンポジウム」登壇、本質改善型リフォーム独立ブランド「リヴ・リノ」設立。2020年・新モデルハウスを着工。
【大橋社長よりコメント】
弊社は岐阜西濃や愛知西部を商圏に、社員パート含め9名で新築・大型リフォームを年間16棟手がける。平均単価は新築で3800万円、本質改善型リフォームで2400万円。シミュレーション・計算を駆使して「構造」「地盤」「温熱」「省エネ」など住宅の基本性能を高いレベルで確保しながら、その先にある「外とつながり、四季の変化のある暮らしを味わう」「風合いがある素材を選ぶ」「そこかしこに居場所のある空間をつくる」など情緒的な快適さの両立を目指すことで、高付加価値の家づくりを特長としている。
コロナショックを経て「変わること」と「変わらないこと」をきちんと整理する必要がある。ビジネスの中でオンラインコミュニケーションの頻度は急速に高まる。住宅にかける顧客の予算が変わり、つくり手の淘汰も進む。一方弊社は、2019年から新築・リノベーションの2つのブランドを立ち上げ、変わらない本質的価値を追求してきたが、この取り組みの重要性を改めて感じる。めざすのは、性能・意匠ともに高いレベルの家づくりを実践し続けながら、規模の拡大や利益の成長だけを求めず、顧客・従業員・地域に愛され、社会貢献ができる会社=スモールジャイアンツ(小さな巨人)。今回フォーラムでは、コロナ禍を経て、いま中小工務店経営者のあり方を提示したい。
三浦祐成
新建新聞社 代表取締役社長・新建ハウジング発行人
【プロフィール】
信州大学人文学部卒業後、長野市に本社を置く株式会社新建新聞社に入社。住宅専門紙「新建ハウジング」の立ち上げから記者を担当、同紙編集長を経て同社代表取締役社長。ポリシーは「変えよう!ニッポンの家づくり」。執筆や講演を通して住宅業界の変革を訴え続けている。1972年山形県生まれ。
【三浦よりコメント】
本フォーラムの本題は「不易流行」にある。コロナ禍によって家に求める価値、空間、家づくりのプロセスがどう変わるか。それに応じて、地域工務店の営業・設計・現場がどのように変わっていくべきか。時代によって変化する「流行」の部分を、ハイアス総研・矢部智仁さんと三浦が、生活者のニーズ調査の結果などをもとに報告・分析する。
一方で今回のコロナ禍は、大きな社会の変化があっても変わることのないもの「不易」を生活者が再認識した機会でもあった。強制的なステイホームによって、家は家族にとってどうあるべきか、居心地のいい空間をつくるにはどんな要素が必要なのか。時代に左右されず家に求める核心的要素が改めて認識されるようになった。こうした「不易」の部分を、シンケン迫社長、そしてリヴアースの大橋さんに語っていただく。
オンラインの利点は「どこでもドア」を実現できること。
今回は、シンケンの社員の皆さんにディスカッションに参戦してもらう。鹿児島での新しいチャレンジについて現地からご報告いただく。ご視聴いただく皆さんからは、事前に質問を募集する予定。日本一の工務店と評される鹿児島シンケンや迫社長に聞きたいことがあればぜひ投稿してほしい。当日のライブディスカッションでできる限りぶつけていきたい。
不易を通すために流行は必要不可欠であり、流行の中にも不易を見いだすことができる。不易と流行の2つの視点を並行して眺めることで、地域工務店の新しい家づくりの可能性を見つけてもらえたらうれしい。
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