ダイキン工業(大阪市北区)はこのほど、東京大学発のスタートアップ企業であるNature Architects(東京都港区)が実施した第三者割当増資を引き受け、1億5000万円を出資した。
Nature Architectsは、工業製品の可動部をビスやヒンジといった部品に分けることなく一体で設計・製造できる独自の設計技術「Direct Functional Modeling(DFM)」を開発・提供する。DFMは、完成品に求められるデザインや機能要件に応じて最適な構造を自動で計算できるもので、特に複雑な造形物の設計に優れる。
ダイキン工業は今回の出資により、エアコンを構成する機能部材や部品の設計プロセス変革を目指す。室外機の駆動源からの振動を抑制する部材にDFMを適用し、さらに静音性の高いエアコンを開発するなど、これまで蓄積してきたノウハウだけでは設計が困難だった部材の高度化に取り組む。
同社は、2019年11月にスタートアップ企業との協業を推進する組織「テクノロジー・イノベーションセンターCVC室」を設立し、世界のスタートアップ企業を対象に2024年までの5年間で110億円の出資枠を設定。Nature Architectsへの出資はこの出資枠を活用して実施した。
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