『新建ハウジング』5月30日号
社員のモチベーション高め、
ウィズコロナに臨む
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が全面解除され、今後は、感染予防に最大限配慮しつつ経済活動を拡大していく動きが本格化する。コロナショックにより、多くの工務店が受注や売り上げの計画見直しを余儀なくされ、さらにはオンラインによる営業・接客やテレワーク(在宅勤務)など「これまでとは異なる」対応を迫られ、環境が激変する中、今後、重要になってくるのが、スタッフの「安心感」の確保やモチベーションの維持だ。
和歌山県田辺市の高垣工務店は、ウィズコロナにおいても、スタッフのモチベーションを高めながら企業として成長していくため、創意工夫や協調性など数字では表せない成果を評価するための新たな人事評価制度を導入し、5月から運用を始めた。
数字至上主義を排し、新たな評価制度導入
同制度は、自社が掲げる経営理念をベース(指標)に、創意工夫や規律性、積極性、協調性など、数字に置き換えられない業務上の成果や会社・チームに対する貢献度などを大きく評価する「定性評価」を全面的に採用したもの。個々の人材が持つ能力やモチベーションを最大限に引き上げるのが目的だ。同社社長の石山登啓さんは、「成果(数字)至上主義により、目標以外の業務への意欲が低下する状況を防ぎ、組織力を高める狙いもある」と話す。
変わる社会・市場に柔軟対応
新評価制度導入の背景には、新型コロナの影響により、営業手法を含む顧客対応のあり方などが急激に変わる中で、家づくりや経営、人材育成のあり方なども、社会環境や市場にあわせて柔軟に変化させていきたいとの思惑もある。「従来のやり方にこだわってしまうスタッフが結果を出せず、不安を抱え、モチベーションを著しく低下させてしまうような状況を避けなければ」と石山さんは考える。
新しい評価制度は、住宅事業部だけでなく、高齢者福祉や発達障害のある子どもの支援を手掛ける事業部のスタッフにも適用する。
全国の工務店に向け導入提案
石山さんは、工務店経営の傍ら、様々な業種の企業向けに、モチベーションアップの仕組みや人材育成プログラムの構築についてアドバイスするメンターリング・アソシエイツ(東京都練馬区)の役員としても活動しており、今後は、そういった立場から、全国の工務店に対し、「ウィズコロナに適した工務店の人事評価制度」として、自社の事例をもとに導入コンサルティングを展開していく方針だ。
仲間と共にチャレンジできる人材育成
新たな時代に求められる能力を伸ばす
高垣工務店(和歌山県田辺市)は、新たな人事評価(定性評価)制度の運用にあたり、独自の評価シート[図1]を策定した。自社の理念「高垣理念」を中心に置き、理念を具現化する“高垣人”が目指すべき指針として・・・・
⇒ 続きは、最新号『新建ハウジング紙面 5月30日号』に掲載しています
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<7面> データ/住宅展示場 4月来場、統計開始以来最低に
<16面> ウィズコロナ/工務店アンケート 影響縮小も不況長期化や購買意欲低下を懸念
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