政府は5月25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言について北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の解除を発表した。4月7日に東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県が指定されてから49日目でようやく全国での解除に至った。同時に業種別のガイドライン(指針)に従った感染防止に取り組む事業者に最大150万円を支払うことなどを明らかにした。
政府は業種別の感染防止ガイドラインの策定を業界団体に促しており、住宅業界では住宅生産団体連合会(東京都千代田区)がすでに策定している。ガイドラインに従った取り組みを行う事業者へ補助金を支給する。また前年比減50%以上の減収となっている中小企業などが対象の持続化給付金は、今年創業の企業にも対象を広げる方向。店舗などの賃料補助については最大600万円の給付金を創設するよう調整を進める。雇用調整助成金は1人当たり日額8330円を1万5000円に引き上げる方針。日本政策投資銀行や公的ファンドによる劣後ローンや出資による支援も行うという。政府はこれらの対策を行うための今年度第2次補正予算案を5月27日に閣議決定する予定としている。
外出自粛やイベント開催の段階的緩和の目安も発表された。下記の表の通りステップ0~3とその先を設定。順調であればステップ0は5月中、ステップ1は6月1~18日、ステップ2は6月19日~7月9日、ステップ3は7月10~31日と3週間ごとに設定。観光を除いた外出自粛については、ステップ0はこれまでと同じく不要不急の県またぎは避けるようにする。ステップ1は最後まで緊急事態宣言下にあった5都道県との間の不要不急の県またぎを慎重に行うよう要請。ステップ2からは県またぎも問題なしとする。
イベントはステップ1では屋外は200人以下、屋内は100人以下もしくは収容率50%以内の小さい方の人数を限度とする。ステップ2と3も屋内は収容率50%以下で変わらないが、ステップ2は屋内外とも1000人以下、ステップ3は5000人以下となる。順調であれば8月1日以降は屋内の収容率50%以内の制限以外は解除される。展示会など具体的な事例に当てはめると下記の表のようになる。
新型コロナウイルス対応を担当する西村康稔・経済再生担当大臣は5月25日の記者会見で、緊急事態宣言の解除にあたり「リスクゼロではなく感染防止策を講じる必要がある」とし、「3週間ごとに外出自粛やイベント制限の緩和を進める」と述べた。また「今回の件で、テレワークで家にいても仕事できるし、テレビ会議も不自由なくできることも分かった。オンライン教育・診療などの規制緩和も進めた。他方、会社にはんこを押すために行くとか、郵送の請求書を開封するために行くという声もあった。不合理な慣行は直していきたいし、政府のデジタル化も推進する。世の中を一気に10年進化させる取り組みを進めていきたい」と意気込みを語った。
緊急事態措置が解除された東京都は、休業要請緩和についてクラスターが発生しやすい接待を伴う飲食店やライブハウス、カラオケ店などを除き、施設を下記の表のようにステップ0~3の4段階に分類し、5月26日午前0時にステップ1に移行する。住宅展示場が入るとみられるステップ2への移行について5月29日の会議で話し合う予定としている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。