東京都は5月15日、新型コロナウイルス感染症縮小後の休業要請緩和措置も含めたロードマップの骨格を提示した。6月以降に新規陽性者数など数値を見ながら、2週間単位をベースにして状況を評価。休業要請解除は5段階で考え、住宅展示場は3段階目とみられる。5月18日からの週に正式に公表する。
緩和の基準としては(1)1日当たりの新規陽性者数が20人未満(2)新規陽性者数における接触歴等不明者数が50%未満(3)週単位の陽性者数の増加比が1未満―の3点が必須。これに(4)重症患者数(5)入院患者数(6)PCR検査の陽性率(7)受診相談窓口における相談件数―も含め総合的に判断する。14日に国が示した1週間の新規陽性者の累計が10万人当たり0.5人を東京都に当てはめると1日当たり10人だが、(4)~(7)も含め総合的に慎重に判断をする。
休業要請解除は下記のようなステップ0~3、さらにその先という手法で進める。休業要請を行っている現在はステップ0。ステップ1で博物館や美術館、図書館など文化施設を再開。ステップ2でクラスター歴がない、3密になりにくい施設や小規模イベント開催を緩和する。ステップ3で、接待の伴う飲食店やライブハウスなどハイリスク施設を除き再開。中規模イベントの開催も可能とする。そしてその先に全面緩和となる。ただし1日当たりの新規陽性者数が50人になるなど悪化の条件に当てはまれば、自粛再要請となる。
都総務局ではステップごとの詳細な施設の種別や、イベントの規模は「現在検討中」としているが、ステップ2の例に飲食店が入っていることや、クラスター歴がなく3密になりにくい条件なども考えると、ここに住宅展示場も含めた一般的な商業施設が入るとみられる。
小池百合子知事は5月15日の記者会見で、「31日までは徹底した外出自粛と施設利用停止にイベント自粛をお願いしたい。都県境またいだ移動もだめ」とし、「まずは感染拡大防止。その次に慎重なステップ踏んで経済・社会活動と両立させたい」と述べた。区市町村や専門家などの意見も聞き、来週にロードマップを発表するとした。
国は5月21日に専門家会議を開き、緊急事態措置の続く8都道府県について解除も検討するが、新型コロナ対応を担当する西村康稔・経済再生担当大臣は14日の記者会見で「東京の人々には様々な自粛をまだお願いしたい」と周辺県も含め解除に慎重な意向を示している。都も万が一21日に緊急事態措置が解除されても、自粛の要請を続ける方針という。
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