大和ハウス工業(大阪市)の芳井敬一社長は5月15日、2020年3月期決算説明会において新型コロナウイルス感染拡大への対応としてネット販売住宅などオンライン営業や施工の無人化などに注力する方針を示した。
2021年3月期の同社の業績予想は売上高が前期比16.7%減の3兆6500億円、営業利益は55.4%減の1700億円、経常利益は55.4%減の1640億円、当期純利益が55.1%減の1050億円。新型コロナウイルスの影響で売上高が8300億円、営業利益が1900億円のマイナスになると予測している。ホテル事業やスポーツクラブ事業のみでなく、住宅販売や施工にも影響が出ている。4月の戸建て受注は前年同月比-32%。4月17日に発表し5月10日まで全国で休工の措置も取った。
芳井社長は2019年11月に発売したネット販売住宅「Lifegenic(ライフジェニック)」について、「2019年の12月は月3万件くらいのクリックがあって、月10件くらいの契約だったが、3月には22万クリックとなり35件の契約があった。4~5月も30~40件の契約がある」と説明。「これまで対面を重視した営業をしていたが、顧客が(ネットで)家を作っていく楽しみもあるだろう。展示場への考え方も変えないといけないし、住宅の売り方も変わる」と述べた。
また施工現場についても「現場の無人化を進めれば、休工を強いられることはなかった」とし、遠隔操作が可能なロボット導入などを進めるとした。同社では耐火被覆吹付作業ができるロボットの開発なども手掛けている。
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