政府は4月24日、2020年版中小企業白書・小規模企業白書を閣議決定した。今回はいずれにも新型コロナウイルスに関連する情報も掲載。社内に従業員の子どもを受け入れた奥野工務店(岐阜県飛騨市)の事例が紹介された。
従業員19人の奥野工務店では休校措置に伴い、感染防止策を徹底したうえで社内の食堂兼休憩室を自習室として開放し、子ども3人を受け入れたという。会社の親睦会などで従業員と子どもが顔なじみで、スムーズに運営できた他、子どもとの交流で社内も明るくなったと記載された。中小企業庁は社員が困っているところを助けた事例として紹介したという。
新型コロナでは全国1050カ所の相談窓口に3月末までに約30万件の相談が寄せられ、ほぼ資金繰りに関するもの。3月2~8日の東京商工リサーチの調査では中小企業のうち52.8%が「現時点ですでに影響が出ている」、41.3%が「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」と回答している。2019年の帝国データバンクの調査では中小企業のBCP(事業継続計画)について「策定している」が12%にとどまり、「策定していない」が49%にとどまっている。今回の白書では新型コロナ以外に2019年の台風被害や保険制度など、中小・小規模企業を取り巻くリスクが紹介されている。
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