東京都は4月17日、3000m2未満の小規模な戸建て宅地開発で無電柱化に取り組む開発事業者に助成を行う「宅地開発無電柱化パイロット事業」を開始すると発表した。都によると小規模宅地開発の無電柱化に対する地方自治体による費用助成は全国初という。
島しょ部を除く都内の開発に、無電柱化の設計費と工事費を助成する。1事業につき上限は1000万円で、1m当たり20万円に道路の長さをかけた金額と比較して低い方を支給する。単独地中化方式という工法で行うことが条件。この工法は電力会社と通信会社が別々に管路、ケーブルや地上機器などを整備する方式。完成後の管理も各々で行う。両者が電柱方式よりも多くかかったイニシャルコストを開発事業者に請求することから、都は開発事業者に補助を行う。開発事業者が電気と通信のケーブルが収容される管路などを整備する共同溝方式では、完成後に管路などの管理を道路管理者が行う必要がある。管理を電力と通信の事業者が行うことで、私道管理者や区市町村の負担を減らす狙いもある。
募集期間は5月7日~12月28日までで、予定件数は10件程度。1億円の今年度予算額に達したら終了する。小池百合子知事は4月17日の記者会見で、2019年の台風15号で電柱倒壊による停電が相次いだことについて触れ、「相続などで宅地が細分化されるミニ開発では、電柱が新たに立ちやすい。面的に無電柱化に取り組む」と語った。都の都市整備局によるとミニ開発は都内で年間700件程度行われるが、無電柱化されるのは数件しかなく、今回の取り組みに至ったという。
応募の詳細はこちら。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。