東京都は新型コロナウイルス対策として8000億円の緊急対策を行う。まず4月15日、3574億円の2020年度4月補正予算案を発表した。4月に都議会臨時会を開催し成立を図る。今年度中の1.5兆円の実質無利子融資への準備など、中小企業支援を強化する。
中小企業向けの実質無利子融資は今年度1.5兆円の枠を用意。緊急融資に係る預託金の増額、信用保証料への補助や3年間の利子補給を行い、実質無利子融資とするため、この補正予算で1964億円を計上する。都は中小企業が民間金融機関を利用できる制度設計にするとしている。
中小企業の円滑な事業承継や再生支援のために3000万円を用意。補助率3分の2、助成限度額は200万円とする。中小企業の従業員向けのEラーニングによる職業訓練に補助率5分の4、1社当たり32万円を限度に助成する事業のため1億円計上する。すでに行っているテレワーク導入のための機器費など経費助成は、3000社の利用を見込み80億円を計上。250万円を上限に全額補助する。これもすでに開始しているテレワーク導入体験モデル事業についても2億円を用意。3月から行っている新型コロナの影響で収入が減った中小企業従業員への上限100万円、返済期間5年間の無利子融資のため、さらに7億円を用意する。
業界団体向けには中小企業新戦略支援事業として1億円を計上する。新型コロナの影響を受けた各業界団体が行う、経営課題の解決に向けた取り組みを支援することで、中小企業の危機突破に役立てることを狙う。助成限度額は1000万円で補助率は5分の4以内、10件を想定しているという。
小池百合子知事は4月15日の記者会見で「数字に表れない切実な声が都民と中小企業から寄せられている」とし、「あらゆる手立てを総動員する。8000億円の緊急対策はリーマンショックや東日本大震災での対策を上回る過去最大規模の対策となる」と説明した。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。