工務店の営業・集客支援などを手がけるジャパンアイディアホーム(岡山市)は、岡山県倉敷市の「イオンモール倉敷」に住宅・不動産に関する新形態のメディア型家づくり相談窓口「アイムの家くらしデジタルミュージアム」を4月24日にオープンする。1日あたり3万人近く来店者のいるショッピングモールに気軽に立ち寄れる店舗を出店することで、ブランド認知強化と潜在的な住宅需要の掘り起こしを図る。
約23坪ある店舗の大きな特徴は、これまでの売り込む住宅販売手法とは異なり、自発的にアクションを起こす消費者を集客するための「仕組み」を構築していることである。それらを実現するために、リアルとデジタルを融合させた店舗となっている。具体的には14台のデジタルサイネージを設置、VR(仮想現実)や住宅のプランや土地情報、資金計画などをITコンテンツで閲覧することができる。また建材や住宅設備を設置したイメージをコンピューターグラフィックで示す「LIXILシミュレーションシステム」も全国初導入される。新築住宅だけでなく、不動産やリフォーム、外構などを説明できる体制とする。
イオンモール倉敷には1日あたり3万人の来店がある他、出店する店内の通りは週末には1時間あたり約2000人の通りが見込めるという。ジャパンアイディアホームの取締役統括事業部長である大田康之氏は「現在は有力な見込み客である住宅購入希望者は事前にネットなどで情報を調べており、従来見込み客が集まるとされていた総合展示場などの存在意義は薄れている」とし、モールの多くの来店者に広く呼びかけ需要を掘り起こす。
入りやすいオープンなレイアウトとし、子ども向けのイベントを多く行い、ファミリーの来店を促す。賃料とイベントで年間1300万円程度のコストを見込むが、出店そのものがモール来店者への広告効果があり、広告宣伝費を削減し対応する。大田氏によるとデジタルツールを活用した接客は業務が属人的にならず、間接部門のスタッフでもこなしやすい、また人材による誤差の少ない「売るための仕組み」が構築できるメリットもあるという。
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