帝国データバンク(TDB、東京都港区)は4月3日、全国2万3676社を対象に3月の国内景気動向を調査・集計した「TDB景気動向調査」の結果を発表した。景気DI(景気動向指数)は、前月比6.2ポイント減の32.5となり、6カ月連続で悪化。後退局面のなかで新型コロナウイルスの影響が拡大し、2014年4月(同4.2ポイント減)を超える過去最大の下落幅を記録した。
業界別では、調査開始以降で初めて全10業界51業種が悪化。23業種で過去最大の下落幅となり、4業種で過去最低を記録した。個人消費に関連する業種の景況感が大きく落ち込んだほか、中国から部品や資材の輸入が滞り、サプライチェーンへの影響も顕著となった。建設業は同6.3ポイント減の41.5、不動産業は同10.4ポイント減の31.6だった。
地域別でも全10地域で悪化し、5年11カ月ぶりに47都道府県すべてで落ち込んだ。暖冬や消費税率引き上げの影響が続くなか、外出自粛や生産活動の停滞などが地域経済全体に及んだ。企業規模別でも、「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全規模で過去最大の下落幅となった。
4月以降の景気予測では、新型コロナウイルスの広がりや収束が景気の先行きを左右すると指摘。海外における社会・経済活動の停滞のほか、2021年への東京五輪延期など、不確実性の高まりが懸念材料となる一方、部品供給の途絶によるサプライチェーン寸断からの復旧・再編が進む可能性があるほか、政府の補正予算執行や5G(第5世代移動通信システム)の本格化、生産の国内回帰などが好材料になるとの見通しを示した。
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