東京都は3月30日、「東京都耐震改修促進計画」の一部改定を行ったと発表した。地震時の倒壊が懸念されるブロック塀について、区市町村と連携し、塀の所有者への働きかけを強化。2025年度末までに特に災害時に輸送上重要で、倒壊による道路閉塞を防がなければならない、特定緊急輸送道路の通行障害の原因となる塀の解消を目指す。
ブロック塀など組積造の塀の除却や安全な塀への建て替えについて、都では補助金を出す区市町村への財政的支援を引き続き行っていく。国産木材による塀の普及へ補助の加算などの方針も打ち出した。
特定緊急輸送道路沿道建築物について新たな指標と目標を設定する。他県との境から特定の区間までに到達できる確率を区間到達率、区間到達率の平均値を総合到達率と設定。2019年12月末時点で総合到達率91.1%なのを、2025年度末に総合到達率99%かつ区間到達率95%未満の解消、2035年度末に総合到達率100%を目指すとした。
2回目以降の工事が未定の場合でも、改修後にIs値を0.3以上にすることを条件に、耐震改修の一部を実施する場合の費用を助成。賃借人など占有者がいる建築物では、所有者が耐震化工事を行う際に移転料など負担が生じる可能性がある。そのため占有者がいる建築物の耐震工事などに要する費用への助成の加算も行うことも盛り込まれた。
特定緊急輸送道路沿道建築物に付随する組積造の塀のうち、(1)新耐震基準導入以前に建築された塀(2)長さが8mを超える塀(3)高さが塀から道路中心線までの距離を2.5で割って得た数値を超える塀-の3条件全てに該当する塀の耐震診断を義務付け、耐震性が不十分な塀の除却や建て替えを促進する。
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