東京都は3月27日、分譲マンション管理に関する施策を新たに発表した。2019年3月制定の「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に伴い、「東京 マンション管理・再生促進計画」を策定した。計画期間は2020~29年度まで。適正管理と老朽マンション再生を進める。また、都が出している「マンション管理ガイドライン」を「マンション管理ガイドブック」に改め、防災対策事例などのコラムを追加した。
適正管理の促進では、2019年10月に定めた管理適正化指針や管理ガイドブックの活用を促進。条例により1983年以前に新築された6戸以上のマンションの管理組合に対して、管理状況の届出を求める「管理状況届出制度」について、積極的な周知や確実な運用を目指す。届出で把握した管理情報から、管理組合へ必要な助言や支援を行う。中古マンション購入希望者への管理情報の提供促進を図り、優良マンション登録表示制度の登録に向け、適正な管理が行われているマンションへのインセンティブも検討する。老朽マンションの再生促進では、管理状況届出制度により旧耐震基準物件の耐震化の取り組み情報の把握に努め、都の補助事業充実に加え区市町村にも助成制度創設を働きかける。まちづくりとの連携や、複数マンションの一体的建て替え支援も検討する。
また、管理状況届出制度により届出を行った管理組合にはマンション管理士など専門家を派遣。その派遣費用を助成する。届出したマンションの管理組合全てに派遣費用全額を1回助成。管理費や修繕積立金を積み立てていないなど、管理不全の兆候があるマンションには5回まで全額助成する。
「マンション管理ガイドブック」は名称変更以外に、修繕積立金の設定、管理組合の総会議事録や設計図書、修繕工事履歴などの保管などについて解説。マンションの浸水対策や電気自動車活用など災害に関する内容の他、民泊への対応などのコラムを追加した。
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