国土交通省と東京都は3月26日、防災まちづくりについて話し合う「災害に強い首都『東京』の形成に向けた連絡会議」の第2回会合を開催し、水害対策と地震対策の取り組み方策イメージを中心に議論した。
水害対策では、水害リスクと社会経済活動への影響、これまでのハード・ソフト面での対策、広域避難の課題や気候変動の影響などを踏まえ、防災まちづくりの目標像として「高台まちづくり」の推進と課題を挙げた。
その上で、取り組み方策イメージとして、(1)堤防、洪水調節施設等の整備・強化の推進、(2)高台づくりやスーパー堤防の整備による線的・面的につながった高台・建物群の創出、(3)広域避難のあり方、(4)シンポジウム開催や意見聴取・交換を通じた住民の意識啓発、の4項目についての検討・推進内容を示し、民間活力を取り入れた高台化の促進や、モデル地区の設定などの施策に言及した。
地震対策では、首都直下地震による木造住宅密集地域の被害想定や、建築物の不燃化に向けたこれまでの取り組みと課題を踏まえ、「安全で安心して暮らせる市街地の形成」と「地域の特性に応じた魅力的な街並みの住宅市街地の形成」の両輪による防災まちづくりを目標に挙げた。
目標に向けた取り組み方策イメージでは、「無接道敷地の解消等に資する建て替えの促進」、「高齢化の進行等に対応した取り組み」、「規制誘導による不燃化の促進」、「防災性の向上と良質な街並みの維持・形成を両輪とした密集市街地の改善の推進」など6項目について検討・推進内容を示した。
会合の終盤、会議の副座長を務める佐藤伸朗都技監(都市整備局長兼務)は、「これらを実践していくためには、区の取り組みがどうしても必要になる。この会議として一度、地域のまちづくりを担う区の意見をしっかり聞き、それを踏まえて議論を続けていくというプロセスを踏んではどうか」と提案。
それに対して、国交省の山田邦博技監(座長)は「非常に大切なことだと思う。本日の取り組み対策イメージについては、皆様からの意見を踏まえて修正した上で、さらに区の意見を聞くことにする」との考えを示した。
なお、第2回会合は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ウェブ配信による傍聴公開となった。
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